【刊行】ことばを紡ぐための哲学 東大駒場・現代思想講義
東京大学東洋文化研究所教授の中島隆博と東京大学大学院総合文化研究科教授の石井剛 が、白水社より『ことばを紡ぐための哲学 東大駒場・現代思想講義』を刊行しました。 続きを読む |
東京大学東洋文化研究所教授の中島隆博と東京大学大学院総合文化研究科教授の石井剛 が、白水社より『ことばを紡ぐための哲学 東大駒場・現代思想講義』を刊行しました。 続きを読む |
Participating in the 2019 Winter Institute(WI) held at Australia National University (ANU) in Canberra from January 7 to 11 was a great opportunity as well as such an inspiration in terms of exchanging thoughts and ideas on the theme titled “History, Culture and Contested Memories: Global and Local Perspectives,” which has grown crucial in recent years, among wonderful students and scholars from ANU, Peking University, New York University, and the University of Tokyo. Personally, I should admit that it was not off to an exciting beginning due to the fact that I had suffered with a bad cold. However, when I arrived in Canberra, met with excellent students and scholars, and as I got exposed to participants’ academic zeal for the given theme, needless to say along with a very good weather --- we were very fortunate about it indeed, not very hot in the midst of summer while extremely hot temperature had been reported before we arrived---, I was getting better physically and got immersed in thought-stimulating lectures and presentations --- I am still not sure which happened first, feeling better and then started to get immersed, or vise versa. Anyhow, my first visit to Canberra finally geared up. |
The Winter Institute 2019 was held at Australia National University, Canberra from 7 to 11 January. The professors and students from ANU, PKU, NYU and UTokyo discussed “History, Culture and Contested Memories: Global ad Local Perspectives”. As it was the first time for me to take part in international conferences, I was feeling a mixture of anxiety and excitement. The conference began with Professor Masashi Haneda’s paper. Explaining his well-known book Toward Creation of a New World History (2011), Prof. Haneda stressed the sense of belonging to the earth in the (anti-)global age. He also cited the essay of Jeremy Adelman and suggested two aspects of globalization, which is, the integration and the resistance toward it. Finally, he referred to the positionality of historians, which is of critical importance to me because I major in the British history as a Japanese student. I would like to be careful about who I am and whom I am writing to through my academic career. |
The motivations of my joining the 2019 Winter Institute could be described as followed. Firstly, the conference this year not only brought together outstanding scholars and young prospects from ANU, PKU, NYU, and UTokyo once again but also focused on the issue of “Nationalism, Culture, and Contested Memory”, which is closely relevant to my research. Therefore, I was longing for presenting my research at the conference with an eye to making contributions to the intellectual dialogue and also getting inspiration. Secondly, I was also looking forward to taking this chance to visit Australia, in which I found many similarities with my hometown, Taiwan, in regards to demographic structure and colonial legacy. Looking back on these days not so long ago, it is the aforementioned reasons that kept me motivated throughout the struggles and frustrations during the preparation processes. 続きを読む |
Although only one month has passed after I attended this productive and unforgettable winter institute, I feel like describing an event happened years ago when starting to write this report. This is not only the first time for me to set foot into Australia but also to use academic English that intensively, which is a precious opportunity especially for students like me majoring in Tokugawa intellectual history. The language barrier was a challenge for me, yet atmosphere throughout the whole institute remained relaxing, in a sense that all student participants were allowed, or even encouraged to communicate actively with professors and fellow students. 続きを読む |
駒場キャンパスUTCPにて、オハイオ州立大学名誉教授Tomas Kasulis先生を迎えて、先生の最新の御著書“Engaging Japanese Philosophy”を執筆されるに至った背景について、お話をお伺いした。 続きを読む |
2018年9月14日、駒場人文学研究会第二回ワークショップ「東アジアにおける『故郷』」が東京大学駒場キャンパスにて開催された。今回は一橋大学大学院と東京大学大学院から四人の発表者にそれぞれの研究について発表して頂いた。 |
BRILLより『The Varieties of Confucian Experience Documenting a Grassroots Revival of Tradition』が刊行されました。 続きを読む |
2018年7月18日、第九回UTCP/TAHセミナーが東京大学駒場キャンパス101号館で行われた。今回のセミナーでは、華東師範大学思勉高等研究院博士課程の劉夏妮が報告した。東京大学総合文化研究科の川島真教授がコメンテーターを務めてくださり、司会は東京大学総合文化研究科の石井剛教授が担当した。報告は、「20世紀70年代における日中の反覇権条項問題」についてというテーマであった。 続きを読む |
2018年7月17日,星期二下午三点到四点半,华东师范大学思勉人文高等研究院博士生卢华在东京大学驹场校区101号馆2楼会议室举行了一次题为“‘阶级’与‘共和’:国民党内部围绕列宁主义的接受、冲突和话语之争(1924-1927)”的报告会。活动的安排是,报告人报告45分钟,然后由远道而来的京都同志社大学的村田雄二郎教授进行20分钟的点评。 続きを読む |
2018年6月28日下午,第7回人文亞洲研討班於東京大學駒場校區101號館舉行,此次由台灣交通大學社會與文化研究所博士生楊祐羽報告,東京大學UTCP中心主任暨總合文化研究科梶谷真司教授評論,主題為對於東亞地區在人體表層與裏層之間所建立的醫療聯繫進行一些思索。 続きを読む |
さる6月2日土曜日、中国社会文化学会主催、UTCP共催のミニ・シンポジウム「漢字圏の教養教育:明治日本の“普通教育”から21世紀の古典教育へ」が東京大学駒場キャンパス18号館コラボレーションルーム1にて行われた。国際日本文化研究センターの伊藤貴之教授に司会を務めていただいた。 続きを読む |
2018年5月19日(土)、台北の国立政治大学哲学系で「言語、想像力、政治——東洋の民族的思考と実践における言語」ワークショップが開かれた。国立政治大学は、中国語圏における仏教哲学の重鎮である林鎮国さんが中心となって、UTCPと過去に2回、ワークショップを行っている。 続きを読む |
さる2018年3月9日(金)、駒場人文学研究会第一回ワークショップが東京大学駒場キャンパス18号館コラボレーション4にて開催された。本研究会は東京大学の博士課程、修士課程の学生が自発的に運営するものであり、人文学研究に携わる若手研究者たちがお互いの研究について理解・交流できるような空間を作ろうとする発想で始まり、それによって現代社会、そして今後の人文学のあり方を探求することを目標している。 続きを読む |
株式会社風響社より『戦後日本の中国研究と中国認識 東大駒場と内外の視点』が刊行されました。 |
先に本ブログで報告した第1回UTCP Frontier Author"s Talk に関して修士課程で学んでいる学生が力のこもったレポートを寄せてくれましたので、以下にその全文を掲載いたします。 続きを読む |
After many thought-provoking presentations and much heated discussion, this year’s Winter Institute came to a close on January 26. 続きを読む |
The fourth day had presentations by participants. The report is divided into two parts. The second half of the presentation outlines are as follows. 続きを読む |
The fourth day had presentations by participants. The report is divided into two parts. The first half of the presentation outlines are as follows. 続きを読む |
3日目の午前において、早くも「批判的地域研究―共生の理論と実践」における一つの概括が行われたといえる。Pickering氏がモデレーターを務める中、午前中から積極的な議論が行われた。中でも興味深いのは、とりわけ認識論的な問いが盛んに提出された点である。 続きを読む |
The record-breaking snowfall on the 22nd resulted in massive delays in the Tokyo transit system, but that did not dampen the heated discussions during the sessions on the 23rd. 続きを読む |
2018年1月22日、北京大学・オーストラリア国立大学・東京大学による第三回の共同Winter Instituteが東洋文化研究所において幕を開けた。各大学から集まった教授と大学院生が五日間に渡って議論する今回のテーマは、「批判的地域研究——共生の理論と実践」(Critical Area Studies: Theory and Praxis of Co-existence)である。歴史学、政治学、社会学、哲学などという様々な視点から、現在世界的にますます緊迫している課題に、また、「共生」というUTCP設立の本旨に挑戦する。 続きを読む |
UTCP Frontier Author’s Talkは、UTCPで活動に携わり、現在は世界のどこかで活躍しているかつての若手研究者たちの新著について、著者を囲んで行う合評会である。その第一回は、『中動態の世界 意志と責任の考古学』(医学書院、2017年)が大きな反響を呼び、小林秀雄賞も受賞した國分功一郎氏をお招きすることができた。國分氏には、この新たに立ち上げたトーク・シリーズの趣旨に即座に賛同してくださり、また年度末に近い多忙な時期に駒場に来ることを快諾していただいた。この場を借りて深く御礼を申し上げたい。 続きを読む |
去る2018年1月9日、第六回UTCP間アジア人文学セミナーが東京大学駒場キャンパス101号館で行われた。今回のセミナーは、台湾交通大学社会與文化研究所博士課程の謝萬科が報告をし、東京大学総合文化研究科の月脚達彦教授がコメンテーターを務めてくださった。司会は東京大学総合文化研究科の石井剛教授教授が担当した。報告は、近代朝鮮の知識人申采浩、朴殷植と李炳憲の儒教思想と批判、そして民族主義との関係についてという主題であった。 続きを読む |
京都大学で11月3日~4日の二日間、世界儒教文化会議(World Consortium for Research in Confucian Cultures: Confucian Modernity as Japanese Experience in East Asian Conference)が開催された。参加者は中国、韓国、台湾、香港、アメリカの各国から、また日本からも京都大学をはじめ東京大学、大阪大学、二松学舎大学、大妻女子大学など、様々な大学に所属される先生方、総勢24名が一同に集った。儒教文化について、日頃の研究成果を発表しあう素晴らしい会議となった。 続きを読む |
第五回UTCP・間アジア人文学セミナーは2017年10月20日(金)に東京大学駒場キャンパス18号館コラボレーションルーム3で開かれた。報告者は京都大学大学院文学研究科 の谷雪妮、司会者は同大学人文科学研究所の森川裕貫氏である。報告者は明治後期に登場する「煩悶青年」を一つのキーワードとして、1920年代までの橘樸の思想の形成過程を捉え直そうと試みた。 続きを読む |
さる2017年10月15日(日)、東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム1において、国际学术工作坊「东西文明的交错与中国哲学:围绕《The Path》与普鸣教授对话」(International Workshop “Interaction between Eastern and Western Civilization and Chinese Philosophy: A Dialogue with Michael Puett on The Path”)が開催された。 続きを読む |
2017年10月3日下午,首次东亚日本哲学研究会在驹场18号馆collaboration room3顺利举行。会议由石井刚老师主持,东京大学综合文化研究科博士生郭驰洋进行了发表。 続きを読む |
上廣倫理財団主催の講演会が8月30日に東京大学駒場キャンパスにて開催された。登壇されたのは、6月に博士号を取得されたばかりというOxford大学Carissa Veliz博士。講演タイトルは”The Duty to Protect One’s Privacy and the Ethics of Encryption”であった。当日はUTCP関係者を中心に、参加者の方が20数名、会場に集った。司会進行の石原先生のもと、講演会が開始され、Veliz博士により一時間の講演がなされた。 続きを読む |
7月22日(土)東京大学駒場キャンパスで王徳威先生を招いてのワークショップが開催された。王先生はハーバード大学東アジア言語・文明学科エドワード・C・ヘンダーソン講座教授、比較文学科教授、台湾・中央研究院院士を兼任されており、清末から今日に至るまでの中国文学を精力的に研究されている。 続きを読む |
白水社から出版されました『知のフィールドガイド~分断された時代を生きる』に、東京大学教養学部人気公開講座として、小林康夫、武田将明、桑田光平、石井剛、竹峰義和の公開講座が書籍化されました。 |
7月12日,Trans-Asian Humanities Seminar(人文亞洲研習班/間アジア人文学セミナー)的第三场在东京大学驹场校区8号馆320教室举行。本场的报告人为中国北京大学哲学系中国哲学专业的博士研究生吕存凯同学,主题为“论《仁学》中的世界主义——谭嗣同思想的再检讨”。本场报告会由林少阳老师主持,十余位同学聆听并参与了讨论。 続きを読む |
6月22日(周四),UTCP人文亚洲讨论班报告第二场在驹场校区101号馆举行。报告者为华东师范大学思勉人文高等研究院博士生吉辰,评议专家为综合文化研究科村田雄二郎教授。报告题目为《宇都宫太郎关系资料与甲午战后日本陆军的对清政策》。现将报告内容介绍如下。 続きを読む |
5月24日(周四),驹场校区101号馆举行了UTCP Trans-Asian Humanities Seminar(UTCP人文亚洲讨论班)报告的第一场。此次活动在石井刚老师的倡导下,组织了华东师范大学思勉人文高等研究院(上海)、国立交通大学社会与文化研究所(新竹)、纽约大学综合文化研究科(纽约)等的交流生汇报近一年的研究情况,目的在于让留学生与东大学生在交流中提高学术水准,使留学生的日本生活更有意义。 続きを読む |
2017年5月23日に、華東師範大学思勉人文高等研究院の譚帆院長、方媛副院長、于明静事務室長、肖連奇大学院教育担当秘書の4名がUTCPに来訪されました。「思勉」は中国の多くの大学で設置されている人文系の高等研究院の中でも最も古いものだそうで、今年、設立10周年を迎えるとのことです。最も古いだけではなく、その活動の充実ぶりもおそらくは他の追随を許さないだろうと思われ、国内外から常に人が集まり、人文研究のアクチュアルな力、まさにここにありという勢いです。 続きを読む |
『A New Literary History of Modern China』がHarvard University Pressより刊行されました。 |
2017年2月22日(水)駒場キャンパス101号館研修室において、Roger. T. Ames氏(北京大学)による講演会が行われた。 |
アジア研究学会(Association for Asian Studies、AAS)は、北米の研究界をメインに組織されている巨大学会である。年会には毎年3000人を超える研究者が世界中から参加するという。トロントで開催された今年も370のパネルが設けられ、会場となったシェラトン・センター・トロント・ホテルの大小の会議場や催事場は4日間の会期中、無数の人々が交わす声の反響でにぎやかに埋め尽くされていた。 続きを読む |
3月1日(水)、駒場キャンパス18号館にて、「章炳麟の学術と思想:日本・中国・西洋」と題するワークショップを行った。招集人はUTCPの林少陽さん、それに、北京から東洋文化研究所に短期訪問中の彭春凌さん(中国社会科学院)、青山学院大学の陳継東さんとわたしが、それぞれ最近の研究課題を持ち寄って相互に批評しあった。かれこれ7年前になるが、同じメンバーに北京師範大学から客員で駒場に来ていた張昭軍さんを加えた5名が毎月のように章炳麟研究会(通称「章学会」)を開催しており、今回は彭さんの来日にあわせて、久々の会合となった次第である。 |
去る2017年1月10日から13日にかけて、東京大学東洋文化研究所においてAsian Cities: Hubs of Interaction, Tradition and Transformationと題した国際ワークショップが開催されました。本ワークショップは、UTCPの他にハーバード大学イェンチン研究所、Academy of Korean Studies、東京大学現代韓国研究センターなどとの共催として企画されたものです。以下、3日間にわたるワークショップの模様について、報告いたします。 続きを読む |
11月23日から26日まで、中国・広州の中山大学を訪れた。東京ではわたしが出かけた次の日に時ならぬ初雪で町が白く染まったそうだが、寒波は亜熱帯の広州にも訪れ、冷たい北風にあおられながらコートを羽織る肌寒さだった。 続きを読む |
年次大会4日目、午前の大会プログラムは「事例スーパーヴィジョン」であった。心理療法におけるスーパーヴィジョンとは、セラピストがその心理療法事例をより効果的に実施するために自分の視野を超えた視野(super-vision)を得るために行われるものである。当日は6つのスーパーヴィジョンセッションが実施された。 続きを読む |
私は、国際力動的心理療法学会(IADP)の学会員であり、今回の年次大会の大会事務局長を務めた。大会の3日目、4日目について、私の参加体験を軸に報告したい。 続きを読む |
2日目、朝の一般公開プログラム「渾沌と神経症―中国の知恵・日本の知恵」では、UTCPの中島隆博氏と精神科医で森田療法の心理療法家である北西憲二氏が対談した。 続きを読む |
UTCP上廣共生哲学寄付研究部門と国際力動的心理療法学会(IADP)の共催で行われた第22回国際力動的心理療法学会は、大会テーマを「危機介入―心理療法と中国哲学―」として、2016年11月3日から6日の会期で、東京大学駒場キャンパスと東京工業大学田町キャンパスで行われた。参加者は心理療法家、カウンセラー、精神科医師、看護師、教師、大学院生、そして哲学者で構成されていた。 続きを読む |
さる2016年7月29日、東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム4において、「UTCP Lecture Seriese on Kyōsei Philosophy 2016-2017『共生への道と核心現場―実践課題としての東アジア―』にむかって」が開催された。 続きを読む |
7月1日から4日まで上海で会議に参加してきた。と言っても、それは大学の一角で行われるシンポジウムではなく、参加者だけで完全に閉じた集中研究会である。 続きを読む |
去る2月20日、東京大学東洋文化研究所にてUTCPワークショップ「日本哲学における国家と宗教」が開催された。本ワークショップは、将来的にSpringerよりTetsugaku Companions to Japanese Philosophyシリーズの一冊として出版される予定の論集へ寄稿予定の者が集まり、その研究計画に関して発表を行う場として設けられたものである。そのため、このような会の性格上、クローズドなものとして開催された。また、そのため詳しい内容をここでは明らかにはできないが、各発表者の大まかなテーマについて、以下に記したい。 続きを読む |
去る1月9日、<UTCP-台湾国立政治大学国際会議:『大乗起信論』と主体性:近代東アジア哲学の形成そして論争>は東京大学東洋文化研究所で開催された。会議は予想を超える数の聴衆の参加の下で行われた。 続きを読む |
『大乗起信論』という仏教理論の奇書をめぐって、これほど刺激的なディスカッションが繰り広げられたというのは、当初想像もしなかった喜びだった。2016年1月9日に東洋文化研究所を舞台に行われたUTCPと国立政治大学哲学系(台湾)との共同ワークショップのことである。 続きを読む |
たいへんありがたいことに、この8月よりハーヴァード大学のイェンチン研究所に招かれて訪問学者として研究を続けている。内外の変革の嵐の中で厳しい運営を強いられている大学の状況を尻目にサバティカルを取って海外でのうのうと暮らしているとのお叱りの声もあるかもしれない。だが実情は、のうのうと暮らせているどころか、東京から持ってきた宿題に追われながら、日々言葉が通じない孤独にさいなまれてともかく苦しい。ましてや、こちらに来て毎日触れるものごとのひとつひとつがあまりにもショッキングで、日本のアカデミアの中に身を置く一人の研究者として危機感を募らせる以外の感想をほとんど持てそうもない。現実は諸賢のご想像とずいぶん異なっているのだ。 続きを読む |
去る7月13日、清華大学教授の汪暉氏を招いて、講演会「二種類のニュー・プアおよびその行方:衰退から再形成へ向かう階級政治とニュー・プアの尊厳をめぐる政治について」が東京大学駒場キャンパスで開催された。 続きを読む |
今日の人文学の危機に対して、我々はどのような方途を取ることができるのか?この問いへの何らかの解答を模索する上で、一つの光となりうるのではないか。この2015年6月1日から三日間にわたって、国立交通大学(台湾・新竹市)で開催された、Transnational Network for Critical Inter-Asia Cultural Studies(亞際文化批判思想跨國網絡)発足を記念するワークショップ並びにシンポジウムは、我々参加者の多くにとってそのような強い印象を与える経験となったのではないでしょうか。 続きを読む |
2015年5月9日、東京大学駒場キャンパスにおいて、2015年度UTCP上廣共生哲学寄附研究部門のキックオフシンポジウムが開催されました。今年度は、センター長が小林康夫氏から梶谷真司氏へと代わり、また新たに桑田光平、武田将明、馬場紀寿、村松真理子、林少陽の各氏が新しくメンバーとして加わり、新たな体制での出発となりました。まず最初に、新センター長の梶谷氏から挨拶があった後、各Lプロジェクト(L1東西哲学の対話的実践、L2共生のための障がいの哲学、L3 Philsoophy for Everyone)の発表がありました。以下、各プロジェクトからの発表の概要について、報告いたします。 |
春の上海を訪れるのもこれで3年連続となった。上海における国際的学術ネットワークの拠点となっている華東師範大学が「いつもの訪問先」である。今回の訪問は、2015年3月28日から31日、29日と30日の二日間、ここで「明清時代の地方意識と国家アイデンティティ」というシンポジウムが開かれた。 続きを読む |
「ご承知のように」と言う人のことは信用してはいけません――。試みに、この「教え」に従うことを宣言した上で「報告」を書き始めることにしよう。 続きを読む |
2013年11月29日(土)・30日(日)、東京大学駒場キャンパスにて「章太炎的解読与現代中国思想」工作坊(ワークショップ「章太炎の解読と近代中国思想」)が開かれた。このワークショップは、科研費基盤研究(B)「現代中国思想史構築のための中国知識界言説研究」プロジェクトが主催し、UTCPの共催を得て開かれた。以下、主催側の一人である林少陽(東京大学)による報告を掲載する。 続きを読む |
オハイオ州立大学のトマース・カスリス教授の講演は12月15日に予定通り実施された。カスリス教授はUTCPの教員と旧知の仲ということもあり、非常に和やかな雰囲気の中、講演とそのあとの質疑応答が進んでいったと記憶している。 |
ジョン・クランメル氏を迎えた今回のセミナーは、2014年11月8日(土)に東京大学・駒場キャンパス18号館にて予定通り実施された。 続きを読む |
2014年9月3日(水)、オックスフォード大学教授・オックスフォード上廣実践倫理センターフェローであるロジャークリスプ氏による講演会が予定通りの日時で開催された。数日前に来日されたクリスプ教授は非常に落ち着いた様子で会場に現れ、講演会は終始、会場の和やかでリラックスした雰囲気とともに進行した。
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陳波教授の講演は、予定通りの日程で行われた。講演は陳波教授の快活な人柄とともに和やかな雰囲気を保ちながらも、教授の研究に対する情熱によって聴衆は講演に引き込まれていったように思われる。 |
2014年6月21日(土)、東京大学駒場キャンパス101号館2階研修室にて、飯塚容教授(中央大学)による講演会「現代中国文学の状況と孫甘露」が行われた 。尚、この講演会は、6月27日(金)・28日(土)に開かれるCPAG/ICCT国際シンポジウム「“現場”の挑戦と文学の営み」 のプレイベントとして企画された。 |
2014年5月17日(土)および31日(土)、東京大学駒場キャンパス101号館2階研修室にて、孫甘露読書会が行われた 。尚この会は、6月27日(金)・28日(土)に開かれるCPAG/ICCT国際シンポジウム「“現場”の挑戦と文学の営み」 のプレイベントとして企画された。 続きを読む |
2014年5月10日(土)、駒場キャンパス18号館コラボレーションルーム3において、UTCP上廣共生哲学寄付研究部門 2014年度キックオフシンポジウムが開催された。 続きを読む |
本ブックレットは東京大学大学院総合文化研究科・教養学部付属「共生のための国際哲学センター」(UTCP)上廣共生哲学寄付研究部門L1プロジェクト「東西哲学の対話的実践」の活動の一環として編集・出版されたものです。UTCP-Uehiro Bookletの第4冊目です。 続きを読む |
<UTCP-延世大学国際会議:東アジアから問う「新しい普遍」>は天候にも恵まれ、東京大学駒場キャンパス18号館コラボレーションルーム3で予定通り実施された。会議は,最初から関係者だけでなく、予想を超える数の聴衆の参加の下で行われた。 |
去る2014年3月7日と8日にかけて、上海は華東師範大学において、「人文アジア―冷戦構造下の文と芸に対する再認識」と題された国際シンポジウムが行われました。 |
2014年1月14日、東京大学駒場キャンパス101号館2階研修室で、ルーサー大学(アメリカ、Luther College)教授のゲレオン・コプフ(Gereon Kopf)氏による講演、" Ethics of Expression: A Japanese Response to Modernity "(表現の倫理:モダニティに対する日本の対応)が開催された。 続きを読む |
去る2014年1月10日から11日にかけて、東京大学駒場キャンパス101号館研修室にて、APFワークショップ「Opening up tetsugaku: the making of the Journal of Japanese Philosophy」が開催されました。以下、コメンテーターとして参加した者による報告を掲載いたします。 続きを読む |
12月12日から16日にかけて、中国・福建省の福州を訪れた。目的は、二つの会議に出席すること。ひとつは、2010年来4年間にわたって続けられてきた、中華圏における儒家復興に関するフィールドワーク研究の成果報告会(13日)、もうひとつは、中華孔子学会という中国大陸での儒家復興を担う学術団体が主催するシンポジウム(14、15日)である。 続きを読む |
2013年11月16日、台湾交通大学の劉紀蕙教授を招いて、『〈心〉とネイション:東アジアの近代経験を巡って (“心”与Nation――反思東亜地区的現代経験)』と題するワークショップが開催された。場所は駒場キャンパス18号館、コラボレーションルーム4である。劉教授は政治哲学が専門で、章炳麟に代表される近代中国思想と、西洋政治哲学との比較研究をされている。UTCPからは石井剛准教授と林少陽准教授が参加し、他に一橋大学の鈴木将久教授、明治大学の志野好伸准教授を招いて行われた。 続きを読む |
2013年11月19日、台湾・国立交通大学社会文化研究所教授で、台湾大学連合文化研究国際センター所長の劉紀蕙氏を迎えて、ワークショップ"The Political Economy or the Politics of the Void? The Question of Liang Qichao and Zhang Taiyan via Giorgio Agamben"が開催された。本講演はAsian Philosophy Forum Workshopシリーズの第10回目として開催され、UTCP卓越プログラムの一環をなすものである。学内外からの参加者を迎えた中、発表と議論がなされた。 続きを読む |
本ブックレットは東京大学大学院総合文化研究科・教養学部付属「共生のための国際哲学センター」(UTCP)上廣共生哲学寄付研究部門L1プロジェクト「東西哲学の対話的実践」の活動の一環として編集・出版されたものです。UTCP-Uehiro Bookletの第3冊目です。 続きを読む |
張景達・原田敬一・村田雄二郎・安田常雄編『講座 東アジアの知識人 第2巻 近代国家の形成‐日清戦争~韓国併合・辛亥革命』が刊行されました。本書には、UTCPの石井剛(地域文化研究専攻)が「章炳麟と劉師培―北東アジア地政力学下の革命理論」を寄稿しています。 続きを読む |
2013年7月30日、東京大学駒場キャンパス101号館研修室で、ティ・ミン=ホアン・ンゴ氏による講演、"Socialist China and Human Rights in Response to the West: Universalism and Nationalism"が開催された。ンゴ氏は現在フランスのエクス=マルセイユ大学アジア研究所の研究員として、中国近代史を研究されている。本講演は、L1プロジェクト「東西哲学の対話的実践」主催の、Asian Philosophy Workshopシリーズの第9回目として開催されたものであり、学内外からの参加者を迎えた中、発表と議論がなされた。 続きを読む |
2013年6月15日、「中国の〈いま〉と人文学―『開放時代』との対話を通じて」と題するワークショップが、東京大学・駒場で開催された。このワークショップは、科研費プロジェクト「現代中国思想史構築のための中国知識界言説研究」が中心になって、広州の『開放時代』雑誌、UTCPと共催したもので、『開放時代』からゲストスピーカー3名、コメンテーターに池上善彦氏(元『現代思想』編集長)、羽根次郎氏(愛知大学)を招き、東京大学の村田雄二郎教授の司会で進められた。 続きを読む |
UTCPの石井剛さんの論文集、『敢问“天籁”:中文哲学论集』が刊行されました。UTCP-Uehiro Collectionの第2冊目です。 続きを読む |
2013年7月2日、東京大学駒場キャンパス101号館研修室で、クリスティアン・ウル氏による講演、"Rethinking Science and Religion in the Modern World: Reflections on a Youtube Debate with Atheists"が開催された。ウル氏は現在ベルギーのゲント大学言語文化学部の教授として、日本と中国における近代の思想や哲学を研究・教育されている。本講演は、L1プロジェクト「東西哲学の対話的実践」主催の、Asian Philosophy Workshopシリーズの第7回目として開催されたものであり、学内外からの多くの参加者を迎えた中、発表と議論がなされた。 続きを読む |
2013年5月9日木曜、香港中文大学の張政遠教授による「3・11後の復興と哲学」と題する講演会が、東大駒場・101号館研修室で行われた。張教授は、哲学カフェの活動を通して被災地のサポートに取り組んでおられ、今回の講演前にも、香港中文大学の教員3名と学生数名とともに被災地を訪問されている。講演は、自然と被災地での活動についての話題が中心となった。 続きを読む |
去る3月23日、東京大学駒場キャンパス10号館301号室にて、UTCPアジア哲学フォーラムの一つとして、Life, Existence and Ethics: The Philosophical Moment in East Asian Discourse(生命、存在和倫理:東亞話語的哲學契機)と題するワークショップが開催された。 続きを読む |
2013年4月13日、共生のための国際哲学研究センター 上廣共生哲学寄付研究部門 2013年度キックオフシンポジウム 「Radical Encounter in Philosophy 共生の深みへ」が駒場キャンパスにて開催されました。 続きを読む |
10月27日、28日、29日の三日間、晩秋の北京では、北京大学哲学系百周年記念式典が催された。UTCPからも梶谷真司とわたしが式典と記念シンポジウムに参加した。 続きを読む |
UTCPメンバーとして、中島隆博とわたしは、フランス現代中国研究センターとの共同プログラム「The Confucian Revival in Contemporary China: Forms and Meanings of Confucian Piety Today」に参加している。中国大陸において、2000年代に入り急速に顕著になっている「儒学復興」のムーヴメントに対して、人類学=哲学的アプローチによる理解と考察を行う試みだ。 続きを読む |
2012年9月1日と2日、台北の台湾大学人文社会高等研究院で、「東アジアの視座からの日本哲学」をテーマとするシンポジウムが開催された。同高等研究院の黄俊傑院長をはじめとし、台湾、韓国、香港、日本から総勢22名が参加した。東京大学からはUTCPの高田康成氏と中島隆博氏、それにわたしのほか、林永強氏、朴祥美氏(いずれもPEAK特任准教授)、そして大学院生の井出健太郎氏(表象文化論博士課程)が出席した。黄俊傑院長以下、高等研究院の暖かく且つ周到なホスピタリティーのおかげで、わたしたちは会期中の滞在生活をきわめて快適に過ごすことができた。この報告のはじめに、まず黄院長および台大人文社会高等研究院の関係者各位に心からの感謝の気持ちを表したいと思う。また、東大からの参加となった林氏は、張政遠氏(香港中文大学)と共に、このシンポジウムの実質的なオーガナイザーであり、彼の強力かつ適切な会議構想とアレンジメントによって、これから報告するように、会議自体が実り多きものになった。併せて感謝したい。 続きを読む |
2012年7月31日、UTCPのL3プログラム「共生の政治国際会議」(コーディネーター:石井剛)のイベントとして、賀桂梅氏(北京大学中文系副教授)の講演会が開催された。 続きを読む |
2012年6月16日、東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属共生のための国際哲学研究センター(UTCP)上廣共生哲学寄付研究部門のオープニング・シンポジウムが開催された。 続きを読む |
Zhang Taiyan (Binglin, 章太炎 or 章炳麟, 1869-1936) was a distinguished scholar in modern Chinese history, and one of the most famous national revolutionaries against Qing dynasty before Xinhai Revolution in 1911. However, his various and profound thoughts which combined Chinese traditional philology, pre-Qin thought, Buddhism, and modern knowledge from Western science and philosophy are more significant. A symposium held in City University of Hong Kong (City HK) on December 21 and 22, 2010 (UTCP co-organized), intensely discussed Zhang Taiyan as a part of a larger East Asian intellectual problematic. 続きを読む |
9月28日は孔子の誕生日にあたり、中国では近年来全国各地の文廟(孔子廟のこと)で記念式典が行われます。中島隆博氏、水口拓寿氏(大学院人文社会系研究科)とわたし(石井剛)の3人は、東北地方における記念活動の現状を調査すべく、9月26日から30日までの間、吉林省の長春市と吉林市を訪問してきました。 続きを読む |
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