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【報告】 「p4cHI(ハワイにおける子どものための哲学)の現在」

2024.10.09 堀越耀介 Permalink

【報告】 「p4cHI(ハワイにおける子どものための哲学)の現在」
2024.08.25 堀越耀介, 古賀裕也

 このイベントは、2020年7月11日の「ハワイp4cから何を学ぶのか?」で共有された経験について、あらためて振り返りつつ、更新しながら広げようと試みたものです。
 折しも日本全国がコロナ第二波に覆われていた2020年の夏、私たちがそれぞれ隔離された場所からオンラインで見たものは、ハワイ大学客員研究員であった堀越耀介さんと石川直美によるコロナ前のハワイの学校の姿でした。
 このイベントで具体的にハワイで学ぶイメージを持てた報告者(古賀)は、幸運にも2024年度からハワイ大学の客員研究員になる機会を得ました。そして、この幸運がもたらすものをなるべくたくさんの方と共有できるよう、ハワイに居るうちに日本からフィードバックがもらえるよう、現在はUTCPで働いている堀越さんに相談したところ、今のうちに「第2回」をやろうという事になったわけです。時期からすると、ちょうど「コロナ前と後のハワイのp4c」ということになりますが、単に4年ぶりのハワイからの便りと考えていただければと思います。

 堀越さんの発表は主にハワイの学校での豊富な実践紹介に加えて社会正義や市民教育につながる理論にも触れ、報告者の発表は主にDr. JことThomas Jackson教授と毎日のように会話を交わす中で刷新されて行ったp4cHIの精神やDr. J本人についてのものとなりました。
 堀越さんは実際にワイキキ小学校やカイルア高校などの教室に通い、子どもたちや先生と信頼関係を築いてきたことが伝わる写真を用いながら、p4cHIの様々な工夫や、工作物などについて詳細に報告されました。工作物といえば、手と身体を動かすものづくりによる学びを主眼とするHanahau‘oli Schoolが際立っていました。ハワイ語でJoyous Work(楽しい仕事)を意味ハナハウオリ・スクールは、ハワイで最も歴史と格式ある私立学校のうちのひとつで、その草創期にデューイ夫妻の訪問を受けた本格的なプログレッシブ・スクールです。デューイのLearning-by-doingの思想に沿うように、工作物であふれる校舎の写真も紹介されました。p4cについては、ハナハウオリの卒業生で現在はハワイ大学で教えているアンバー・マカイアウ教授らの尽力によって、特別に授業をつくらずとも全授業に浸透しています。こうした高度に探究的な環境の中で、プログレッシブ教育、教師教育、エスニックスタディーズ、社会正義などについてのワークショップなども開かれており、ハワイの教育を牽引する拠点となっています。この伝統的かつ革新的なハナハウオリについて、p4c研究者・実践者でありデューイ研究者でもある堀越さんの視点からの報告を聞けたことは幸運でした。
 イベント報告者でもある古賀の発表は、実践よりも理論を中心に行われました。理論と言っても、特にp4cHIを始めたDr. Jの考えを紹介するものと言ったほうがいいでしょう。報告者はDr. Jの授業に初めて出た際に帰り道が近かったため車で送ってもらうという幸運に恵まれましたが、次の授業でも当然のように車に乗せてくれて、気づいたら迎えに来てくれるようになり、いつの間にかDr. Jの付き人のようになってしまったのでした。その経験から、Dr. Jの歴史やリップマンとの交流や鍵概念と思われる”Not in a Rush”や”Safety”などについて私自身が気になっていたことを質問し、その一部を紹介しました。特にGood Thinker's Toolkit(GTTK)をもっと真剣に捉えること、”Safety”と”Not in a Rush”とGTTKの相互関係、そして日本ではまだあまり強調されてないPlayfulnessなどに触れられたことについては発表の意義を感じました。
 さいごに、Dr. Jの個人史に触れて報告を終わりにしましょう。2024年4月にイスラエルへの抵抗を示す学生にコロンビア大学のハミルトンホールが占拠されたことは私たちの記憶に新しいと思います。奇しくも1968年にベトナム戦争への抵抗を示す学生に占拠された建物が、まさにこのハミルトンホールであり、その占拠の只中で一般教養のコース長を務めていたのがリップマンであり、自由であった学生たちを徴兵対象にする法律ができて最初に選ばれた世代の中いたのがDr. Jであったのは注目に値することです。徴兵拒否は投獄かつ非国民あつかいなので、彼はカナダに逃れ、誰もやらなかった黒人隔離地区の唯一の白人教師になります。ここで彼のSafetyの感覚が育まれますが、同時に誰もが「学校で傷ついている」”Wounded by school”という現実も深く心に刻まれます。p4cHIの原点が、戦争という国家の欺瞞、そしてそこから逃れてもなお存在していた差別の歴史と深い傷つきの中から生まれたという点を強調することは、ともすれば私たちがp4cを探究学習の手段としてのみ理解し、学びの中にある傷つけに鈍感になることから、私たちを遠ざけてくれるよう願っています。

(古賀裕也)


【報告】企業の政治的責任と公共性を考える哲学

2024.10.07 堀越耀介, Permalink

「企業の政治的責任と公共性を考える哲学 Vol.2 哲学者は、企業を変える?」と題されたイベントが7月24日(水) 19:00より、オンラインで開催された。

モデレーター・オーガナイザーは、田代伶奈(FRAGEN)/ 堀越耀介(UTCP)、登壇者に朱喜哲(哲学者 /大阪大学招へい准教授 ) / 梶谷真司(UTCPセンター長)をむかえた。

本イベントは、哲学と企業の関わりにかんする、堀越による報告から始まった。近年、哲学的素養や態度が企業で活用される可能性が高まっていること、そして、哲学コンサルティングの主な形態として、 a) 倫理規定やコンプライアンスの検討 b) 企業理念やミッションの構築 c) 社員研修における哲学対話 d) 企業の課題に対する哲学的観点からの知識提供があること。そして、具体的な事例として、人事系施策での哲学対話の活用、新規事業開発における哲学的アプローチ、労働組合活動での哲学的考察の導入などがあげられた。哲学的な素養、哲学的な態度、哲学的な思考、哲学的な知識が何らかの仕方で使えるのではないか、あるいは使いたいという需要が明確にあるにも関わらず、基本的には互いに共同できるという可能性自体がほとんど認識されていないという現状認識が語られた。

次に、登壇者である朱氏からは、「エルシー(ELSI: Ethical, Legal and Social Issues)」と哲学・倫理学の関連性について話された。ELSIとは、新しい科技術の研究開発・社会実装に伴う倫理的・法的・社会的課題のことであり、昨今、企業がエルシーに取り組む必要性が高まっている。こうした中で、哲学者の企業における役割として、朱氏は倫理的なボキャブラリーの運用、複数の専門分野のボキャブラリーを横断・翻訳する能力の重要性を指摘した。

ただし、人文系の研究者は、専門性の高い特定のボキャブラリーしか持ってないこともある。朱氏は、様々なボキャブラリー、例えば企業やビジネスのボキャブラリーにも同時に習熟していった中で、ようやく哲学や倫理学のボキャリブラリーが非常に生きてきたという実感について語られたのは非常に印象的だった。

田代氏からは、企業の公共性と社会的責任について問題提起がなされた。企業が公共性や社会的責任を掲げることの意味と課題、たとえば、イメージ戦略としての倫理の利用、その実践との乖離などの可能性についてである。朱氏も、まず日本語圏において倫理という語が努力目標と考えられる傾向があることを指摘。「なんかやった方がいいんじゃないとかエシカル消費ぐらいの表現の意味として考えられている面があるので、自分たちを縛る拘束力規範であること、例えばこの理念を掲げたんだったら、もうこの事業できないといった形で、決めた倫理に対してトップダウンでちゃんときその判断するっていうことがやっぱちょっと弱い面がどうしてもある」ということに言及した。

終了後は、オーディエンスを交えての議論がおこなわれた。その際には、哲学研究者のキャリアの多様化やビジネスと学術の間の人材の流動性の重要性などが話題となり、アカデミアとビジネス界の交流促進が必要であること、そして、哲学的アプローチが企業の意思決定や文化に与える影響の検討が今後の課題であることなどが議論された。

本イベントでは、哲学と企業の関わりについて多角的な視点が提供され、今後の研究や実践の方向性も示唆された。参加者それぞれの経験や専門知識に基づいた意見交換が行われ、企業における哲学の役割や課題、そして将来的な可能性について役立つ洞察が得られたようにおもわれる。

(堀越)


【報告】企業が哲学と出会うとき

2024.07.01 堀越耀介 Permalink

フィルカル×東京大学UTCP(共生のための国際哲学研究センター)の共同開催にて、イベント「企業が哲学と出会うとき:日本における企業内哲学の実際」が開催されました。UTCPからは、上廣共生哲学講座特任研究員の堀越耀介が登壇しました。

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【報告】 個人の選択で、社会は変わる? ー 気候正義のためにわたしたちにできること(シリーズ「企業の政治的責任と公共性を考える哲学 Vol1)

2024.06.18 堀越耀介, Permalink

【報告】 個人の選択で、社会は変わる? ー 気候正義のためにわたしたちにできること(シリーズ「企業の政治的責任と公共性を考える哲学 Vol1)

2024年4月17日、シリーズ「企業の政治的責任と公共性を考える哲学」第一回目のイベントを開催した。このシリーズは、個人や企業の社会的責任、さらに政治的責任を問い直すことで、あらためて「公共性」について考えながら、哲学の可能性について対話を深めることを目的にしている。オーガナイザー(兼モデレーター)は、UTCP研究員の堀越耀介と、このレポートを書いている田代伶奈(FRAGEN代表)である。

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【報告】養護教諭が哲学するということ:セクシュアリティと哲学対話の可能性

2024.03.02 堀越耀介, 柏木睦月 Permalink

2023年11月12日(日)、「養護教諭が哲学するということ:セクシュアリティと哲学対話の可能性」を開催しました。当日は、東京都立足立東高等学校の養護教諭2名(関本さん・伊丹さん)、西宮市立上甲子園中学校の養護教諭(井倉さん)と教諭(大矢さん)、オーガナイザーとして堀越さん(2校の哲学対話研修やファシリテーターを担当)と梶谷先生、そして元養護教諭で現在は十文字学園女子大学にて養護教諭養成に携わっている柏木(報告者)が主なメンバーとして登壇しました。

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【報告】UTCPシンポジウム 自由になりたい「わたし」× 自由になれない「わたし」〜吉野なおさんと考える、見た目、人間関係、社会〜

2023.12.01 梶谷真司, 堀越耀介, 宮田晃碩, ライラ・カセム, 山田理絵, 中里晋三, 桑山裕喜子, 秋場智子 Permalink

 プラスサイズモデル・エッセイストの吉野なおさんをゲストにお迎えし、UTCPシンポジウム「自由になりたい「わたし」×自由になれない「わたし」〜吉野なおさんと考える見た目、人間関係、社会」が、2023年11月19日(日)、駒場キャンパス18号館&Zoom配信で開催されました。

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【報告】富山氷見出張その4——氷見市内を歩いて

2023.11.21 梶谷真司, 堀越耀介, 宮田晃碩, 山田理絵, 桑山裕喜子, 秋場智子 Permalink

富山氷見出張の最終日、富山県氷見市 IJU 応援センター・みらいエンジンのオフィスである、salon & office「まちのタマル場」の運営をしているスタッフの方からお話を伺った。

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【報告】富山氷見出張その3——食べる・作る・まとう 〜 フィッシュレザーの現在(後半)

2023.11.21 梶谷真司, 堀越耀介, 宮田晃碩, ライラ・カセム, 山田理絵, 桑山裕喜子, 秋場智子 Permalink

【報告】富山氷見出張その2——食べる・作る・まとう 〜 フィッシュレザーの現在(前半)はこちらです。

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【報告】富山氷見出張その2——食べる・作る・まとう 〜 フィッシュレザーの現在(前半)

2023.11.21 梶谷真司, 堀越耀介, 宮田晃碩, ライラ・カセム, 山田理絵, 桑山裕喜子, 秋場智子 Permalink

 2023年7月23日(日)15:00〜17:00、UTCP主催のオンライン配信イベント『食べる・作る・まとう フィッシュレザーの現在』が開催された。ゲストとしてご登壇いただいたのは、富山県氷見市にあるフィッシュレザーブランド「tototo」の野口朋寿さん(株式会社シンクシー 代表)。企画はUTCP上廣共生哲学講座特任助教の山田理絵さん。UTCPスタッフが野口さんのアトリエにおうかがいしてお話をうかがい、その内容をオンラインで配信した。配信には10名ほどの方が参加された。

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【報告】松山刑務所・髙野洋一所長ご講演「刑務所の現状と社会復帰支援」④

2023.09.22 梶谷真司, 堀越耀介, 宮田晃碩, ライラ・カセム, 山田理絵 Permalink

 2023年3月30日、UTCPのシリーズ企画「Second View」の第1回講演会が開催された。ご講演は「刑務所の現状と社会復帰支援」というタイトルで、松山刑務所(愛媛県松山市)の所長・髙野洋一氏にご講演いただいた。
 当日の内容を4回に分けて報告する。松山刑務所・髙野洋一所長ご講演「刑務所の現状と社会復帰支援」③はこちら。

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【報告】松山刑務所・髙野洋一所長ご講演「刑務所の現状と社会復帰支援」③

2023.09.22 梶谷真司, 堀越耀介, 宮田晃碩, ライラ・カセム, 山田理絵 Permalink

 2023年3月30日、UTCPのシリーズ企画「Second View」の第1回講演会が開催された。ご講演は「刑務所の現状と社会復帰支援」というタイトルで、松山刑務所(愛媛県松山市)の所長・髙野洋一氏にご講演いただいた。
 当日の内容を4回に分けて報告する。松山刑務所・髙野洋一所長ご講演「刑務所の現状と社会復帰支援」②はこちら。

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【報告】松山刑務所・髙野洋一所長ご講演「刑務所の現状と社会復帰支援」②

2023.09.22 梶谷真司, 堀越耀介, 宮田晃碩, ライラ・カセム, 山田理絵 Permalink

 2023年3月30日、UTCPのシリーズ企画「Second View」の第1回講演会が開催された。ご講演は「刑務所の現状と社会復帰支援」というタイトルで、松山刑務所(愛媛県松山市)の所長・髙野洋一氏にご講演いただいた。
 当日の内容を4回に分けて報告する。松山刑務所・髙野洋一所長ご講演「刑務所の現状と社会復帰支援」①はこちら

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【報告】松山刑務所・髙野洋一所長ご講演「刑務所の現状と社会復帰支援」①

2023.09.22 梶谷真司, 堀越耀介, 宮田晃碩, ライラ・カセム, 山田理絵 Permalink

 2023年3月30日、UTCPのシリーズ企画「Second View」の第1回講演会が開催された。ご講演は「刑務所の現状と社会復帰支援」というタイトルで、松山刑務所(愛媛県松山市)の所長・髙野洋一氏にご講演いただいた。会場は愛媛県松山市の松山市総合コミュニティセンター内で、会場の様子をオンラインで配信するハイブリット形式で実施した。当日の内容を4回に分けて報告する。

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【報告】2023年度キックオフシンポジウム「共生の希望 Imagining New Subjectivities」(後半)

2023.08.06 梶谷真司, 堀越耀介, 宮田晃碩, ライラ・カセム, 山田理絵, 中里晋三 Permalink

 2023年6月10日(土)13:00〜17:00、2023年度UTCP上廣共生哲学講座のキックオフシンポジウム「共生の希望 Imagining New Subjectivities」が開催された。対面とオンラインのハイブリット方式で開催され、駒場第一キャンパス内の会場では20名ほどの方にご参加いただいた。
 以下では、第一部の牧野智和氏(大妻女子大学教授)の講演について、山田理絵(UTCP上廣共生哲学講座特任助教)が、第二部のアーロン・ベナナフ氏(シラキュース大学助教)の講演と参加者とのディスカションについて、宮田晃碩(UTCP上廣共生哲学講座特任研究員)がそれぞれ報告する。

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【報告】2023年度キックオフシンポジウム「共生の希望 Imagining New Subjectivities」(前半)

2023.08.06 梶谷真司, 堀越耀介, 宮田晃碩, ライラ・カセム, 山田理絵, 中里晋三 Permalink

 2023年6月10日(土)13:00〜17:00、2023年度UTCP上廣共生哲学講座のキックオフシンポジウム「共生の希望 Imagining New Subjectivities」が開催された。対面とオンラインのハイブリット方式で開催され、駒場第一キャンパス内の会場では20名ほどの方にご参加いただいた。
 以下では、第一部の牧野智和氏(大妻女子大学教授)の講演について、山田理絵(UTCP上廣共生哲学講座特任助教)が、第二部のアーロン・ベナナフ氏(シラキュース大学助教)の講演と参加者とのディスカションについて、宮田晃碩(UTCP上廣共生哲学講座特任研究員)がそれぞれ報告する。

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【報告】<哲学×デザイン>プロジェクト38「仕事も研究もあきらめない!〜文系博士の多様なキャリア形成と支援」

2023.01.13 梶谷真司, 堀越耀介, 宮田晃碩, ライラ・カセム, 山田理絵, 中里晋三 Permalink

 2022年11月23日(水・祝)、<哲学×デザイン>プロジェクト38「仕事も研究もあきらめない!〜文系博士の多様なキャリア形成と支援」がオンラインで開催された。ゲストとして、株式会社イノベーターズ・キャリア・サポート、代表取締役の松尾誠二氏をお迎えした。

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【報告】他者の問いにふれること――高千穂・五ヶ瀬出張報告(後半)

2022.11.08 梶谷真司, 堀越耀介, 宮田晃碩, ライラ・カセム Permalink

前半はこちら)
3. 高千穂町、五ヶ瀬町のフィールドトリップ

 今回の訪問では学校でのワークに関わるだけでなく、フィールドをご案内いただき見学させていただいた。空港から高千穂町へ行く道中には阿蘇外輪山の大観峰を、25日の午前中には天岩戸神社を見、またその日の夕方には今回私たちをご案内してくださった役場の田﨑友教さんのご実家にお連れいただいた。田﨑さんのお宅は、畑作と牛の繁殖をされている農家である。私たちは、前日に生まれたという仔牛を見せていただき、また牛たちに干草をやるところを見せていただいた。高千穂郷・椎葉山地域は山間地の限られた耕地を巧みに利用する伝統的な農業によって、世界農業遺産に指定されている。その特徴は、大規模に一つの作物を作るのではなく、むしろ様々な生産のシステムが文字通り有機的に組み合わさっているところにある。田﨑さんのところでも複数の作物を生産しており、ここで牛にやっている干草も、田畑のあいだの斜面に生える草を刈って乾かしたものである。実は昼の自動運転についてのワークショップで、田﨑さんのお父様のお話を聞いていたのだが、あれはこういう生活のことだったかと、にわかに実感を伴って理解することができた。

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【報告】他者の問いにふれること――高千穂・五ヶ瀬出張報告(前半)

2022.11.08 梶谷真司, 堀越耀介, 宮田晃碩, ライラ・カセム Permalink

 2022年9月24日から27日にかけて、宮崎県高千穂町、五ヶ瀬町を訪問した。メンバーは生産技術研究所の松山桃世先生、UTCPの梶谷真司先生、ライラ・カセムさん、堀越耀介さん、宮田晃碩(本報告執筆者)、IHS(多文化共生統合人間学プログラム)のプログラム生である倉田慧一さん、山田慎太郎さん、呉映月さんの計8名。IHSの研修を兼ねる形である。

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【報告】2022年度UTCP上廣共生哲学講座キックオフシンポジウム「共生のテクスチャー The Textures of Inclusion」

2022.08.17 梶谷真司, 堀越耀介, 宮田晃碩, ライラ・カセム, 山田理絵, 中里晋三 Permalink

 2022年7月24日(日)に、2022年度UTCP上廣共生哲学講座のキックオフシンポジウムが開催された。
 「共生のテクスチャー The Textures of Inclusion 〜 異世界のふたりが紐解く『ゆるさ』のデザイン」と題された本シンポジウムには、ゲストスピーカーとして、澤田智洋さん(世界ゆるスポーツ協会代表理事、『マイノリティデザイン』著者)と、加納土さん(『沈没家族』著者・映像監督)にご登壇いただいた。参加者の皆様には、シンポジウムの様子をオンラインでご視聴いただいた。

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【報告】シンポジウム「哲学対話を通じたセクシュアリティ教育の試み」

2022.04.18 堀越耀介, 柏木睦月 Permalink

2022年2月27日(土)、UTCPシンポジウム「哲学対話を通じたセクシュアリティ教育の試み」がオンライン形式で開催されました。

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【報告】UTCPシンポジウム「社会の中で哲学にできることとは?」

2022.03.05 堀越耀介 Permalink

 UTCPシンポジウム「社会の中で哲学にできることとは?」が2021年12月18日(土)14:00~16:00にオンラインで開催された。

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【報告】「『哲学の学校』をつくる教師と生徒の挑戦——東洋大学京北中学高等学校の取り組みから」

2021.08.19 堀越耀介 Permalink

2021年7月11日、UTCPシンポジウム「『哲学の学校』をつくる教師と生徒の挑戦――東洋大学京北中学高等学校の取り組みから」が開催された。
講演者は、石川直実(東洋大学京北中学高等学校教諭)、竹内正人(東洋大学京北中学高等学校
教諭)、オーガナイザー・司会は、堀越耀介(東京大学大学院博士課程/日本学術振興会特別研究員)、梶谷真司(UTCP)の4人によるイベント開催となった。

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【報告】〈哲学×デザイン〉プロジェクト6: 「哲学のビジネス化」

2017.10.19 梶谷真司, 堀越耀介, 佐藤麻貴 Permalink

10月15日、<哲学×デザイン>の第6回目のイベントとして「哲学のビジネス化」が開かれた。「哲学が思考の革新である限り、それは社会のいたるところで大きな可能性を秘めているはずだ。哲学とビジネス―この一見無縁なものの出会いから何が生まれるのか」という主題のもと、4名のゲストスピーカーをお招きしての会であった。

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【報告】宇宙と思想をデザインする

2016.12.22 梶谷真司, 八幡さくら, 李範根, 堀越耀介 Permalink

2016年11月20日(日)に駒場キャンパスKOMCEE West 303において〈哲学×デザイン〉プロジェクト第三弾としてのイベント「宇宙と思想をデザインする」が開催された。

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