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時の彩り(ラスト・ラン) 174

2014.12.19 小林康夫

★ 今月は、「友あり遠方より来る」の月と言ってもいい。2日には、去年ソフィアでお会いしたソフィア大学のダリン・テネフさん、11日は、13年前のUTCPの発足記念のシンポジウムにお招きし、さらに数年前にも駒場を訪れて「サルトルのピアノ」について講演してくれたパリ第8大学のフランソワ・ヌーデルマンさん、続いて15日は、われわれが「大日如来」と呼んで敬意を表している(?)オハイオ州立大学のトマス・カスーリスさんの講演会。もうひとつ加えれば、その翌日は、表象文化論コースの客員教授として来日された、これは学生時代からの友人、パリ第7大学のセシル坂井さんとの夕食会。4人の旧友と楽しく懇談会食できて幸せでした。長い時間をかけて、おたがいの考え方や思考のスタイルを理解しあい、そのうえで創造的な視点から問題点を指摘しあうこともできる、ほんとうの意味でのコミュニケーション。いつも言っていることですが、組織と組織の国際交流なんて形式にすぎません。それでは「魂」が抜けている。(どれほどそうした形骸化した「国際交流」が多いことか!)。わたしがUTCPでやろうとしたことは、研究者の個人どうしの友情、結びつき、相互理解です。いよいよ定年まで3ヶ月というこの、なかなかセンチメンタルな歳の瀬に、各国の友人たちが駒場を訪れてくれることは、わたしにとっては、なによりの喜びです。こういう活動を続けてきててよかったなあ、とつくづく思いますね。久しぶりにあった、フランソワがオフィスに入ってくるなり、肩を抱きながら、「ヤスオ、どうしたんだよ、きみ、若返ったんじゃない?」と言っていたのが、おもしろかった。これまで背負っていた重荷を少しおろせて、楽になったのかしら? 
 (なお、来年1月24日に、UTCP+CPAG主催で、わたしの「追い出しコンパ」ならぬ「追い出しシンポ」を行います。イベント欄に情報がアップされていますので、ごらんください。)

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