【刊行】植原亮著『実在論と知識の自然化―自然種の一般理論とその応用』
UTCPの元PD研究員で、現在関西大学総合情報学部准教授の植原亮さん著の『実在論と知識の自然化―自然種の一般理論とその応用』が勁草書房より刊行されました。
勁草書房サイトより
世界が私たちに認識できるものである限り、それは私たちの認識する通りのあり方をしているのではないか? この素朴な見方を理論的に整備するために、本書では自然種の一般理論を構築し、世界を実在的対象からなるものと捉える見方を擁護する。またこの理論を認識にも適用し、知識の自然化を目指す。科学哲学の俊英による理論的冒険!
目次
序章 自然主義の体系化に向けて
1 世界と認識の謎
2 実在論の予備的素描
3 問題設定と本書の構成
Ⅰ 実在論の基本的枠組み――自然種の一般理論
第一章 自然種論の系譜
1 ロックの種の理論
2 帰納的一般化の理論
3 本質主義へ
4 自然種の一般理論へ
第二章 理論的問題
1 実在性
2 メカニズムと実在性をめぐる問題
3 分類の多元性・実在論・自然化された認識論
Ⅱ 応用問題――個別領域への適用
第三章 生物種の存在論を構築する
1 個体説
2 個体説批判とその収容
3 問題点の検討
4 実在的対象の伝統的区分について――「個体と種」「類と種」
第四章 人工物は(どこまで)実在するのか
1 実在論の理論図式とその検討
2 独自性テーゼとその検討
3 成熟した実在論への方向
4 問題点の検討
Ⅲ 知識の自然化
第五章 認識論の自然化
1 確実性の探究からの心理主義への転換
2 知識の定義をめぐる問題から心理主義の復興へ
3 知識の自然種論へ
第六章 知識を世界に位置づける
1 知識の自然種論
2 認識論的ニヒリズム――多様性からの議論
3 知識の多様性を収容する――生物学的観点の徹底
第七章 拡張する知識
1 信頼性主義のさらなる外在主義的性格
2 環境改変活動の位置づけ
3 知識は拡張する
4 理由の空間
第八章 知識のメカニズムと理論的統一性
1 メカニズムの解明へ
2 人間の知識を捉える
3 問題点の検討
結論
注
あとがき
文献一覧
事項索引
人名索引