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時の彩り(つれづれ、草) 012

2007.11.13 小林康夫

☆ 展開(王前さんとHardyさん)

前回のブログで王前さんのエッセイに触れたが、そうしたら王前さんからメールをいただいた。そのなかにかれのエッセイの英語版要旨がすでにバーリン研究のサイトに掲載されている、という部分があった。

それぞれの仕事が、時間差なく、世界の研究者に伝わっていくという例として貴重なお話し。王前さんのゆるしをえて、その部分を引用しておく。

「ところが、話が変わりますが、私はバーリンの著作の編集者であるHenry Hardy氏とは、中国と日本におけるバーリン関連の動向や情報などを中心に、時々連絡をしている「メル友」です。今までは丸山真男と福田歓一氏の手元にあったバーリンからもらった書簡を集めるために、少し協力したことがあります(諸事情により成果は芳しくないが)。数日前にベンヤミン、丸山とバーリンについて書いた文章が日本の雑誌に発表されたとメールで報告したら、早速(私に負けないインターネット中毒みたい)、The Isaiah Berlin Virtual Libraryに載せるから、そのfull bibliographical detailsを送れと返事をくれましたので、私は拙い英語で簡単な要約を書いて送りましたら多少潤色してくれた後、すぐバーリン・サイトに載せてくれました。(http://berlin.wolf.ox.ac.uk/lists/onib/onib.htm、2007年最後の所に)。別に自己宣伝をしようと企んだわけではありませんが、ちょっと嬉しかったです。

Hardy氏はWittgensteinの研究でオックスフォード大学で博士号を取って、暫くOxford University Pressで働いた後、バーリン専属の編集者となって、それ以来ずっと優れた編集者として活躍しています。今はOxford大学Wolfsonカレッジのフェローでもあります。私のようなバーリン屋には大変ありがたい存在です。彼自身もなかなかいい書き手ですよ。目下バーリン書簡集の2冊目を編集しているところです。」

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