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時の彩り(つれづれ、草) 108

2010.05.27 小林康夫

人々⑥(Tobias Cheungさん)

今週の月曜は、UTCPの活動にも時々顔を見せてくれている、ベルリンのマックス・プランク研究所から来日中のションさんと下北沢の居酒屋に行きました。前からゆっくり話しをしようという約束をしていて、ようやく実現したもの。かれは、エピステモロジーの研究者で、UTCPでもfiberをめぐって講演をしていただいたこともあるけれど、実は、川端康成の『雪国』のドイツ語訳を出版してもいる。今回も丸谷才一の小説を翻訳してもいるらしい。なかなか多元的な人。パリにも長くいたことがあって、わたしとの会話はだいたいフランス語が中心。いまかれが研究している日本の戦後60年代の都市論で一世を風靡したメタボリズム論からフランス現代哲学までいろいろなことについて意見交換をしました。この秋にベルリンのマックス・プランク研究所では「膜と表面」をめぐる国際シンポジウムも開催されることになっているときいて、興味津々。マックス・プランクとUTCPは世界のなかで似た組織である、と聞いては一度は、行ってみなければ、とも思っています。

来訪(ハミードレザー・マダド参事官)

5月26日、イラン文化参事官のハミードレザー・マダド氏がUTCPにおいでになりました。このところガヴァヒーさんをはじめイランの方々との出会いが続いていて、その一環で、今後、どのような研究協力態勢が可能か、前向きに検討しようというメッセージ。わたしとしても、UTCPが存続しているあいだに、かつて井筒俊彦先生が滞在していた研究所に行ってみたいなあ、と思っていないわけでもありません。文学や宗教、哲学などをめぐって、真摯な「対話」を企てたいと願っています。「火」と「水」の対話なんてスリリングかもしれません、と発言しておきましたけど・・・しかし出会いが出会いを呼ぶ展開です。

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