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【刊行】『現代思想 特集:大学の困難』

2008.08.26 西山雄二, 出版物

『現代思想2008年9月号 特集:大学の困難』(青土社)が刊行されました。

本誌には、2004年の国立大学の独立行政法人化以降に生じてきた諸問題をめぐる論考が掲載されています。高学歴ワーキングプアの問題を、UTCPで3月に招聘した水月昭道氏が、学術振興会の科研費配分に関する問題を竹内淳氏が論じています。

また、大学制度の周辺で大学の名において実践される創造的な知の運動(「大学の夜」@早稲田大学生協、「地下大学」@高円寺・素人の乱、「キャンプ大学」@北海道・G8サミット開催期間中)も紹介され、社会と大学の接点をめぐる新たな可能性が提起されています。

拙論考「大学の名において私たちは何を信じることを許されているのか」では、大学の余白で実践される固有の場をもたない研究教育制度として、「国際哲学コレージュ」(フランス・パリ)、「研究空間スユ+ノモ」(韓国・ソウル)、そして本拠点「共生のための国際哲学教育研究センター」(日本・東京)を取り上げて、研究教育と場の問題について論じました。

本誌をもとにして、UTCPではワークショップ「大学の名において私たちは何を信じることを許されているのか」を9月19日に開催しますので、御関心のある方の御来場をお待ちしております。(文責:西山雄二)

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『現代思想 2008年9月号 特集:大学の困難』
目次 (特集部分のみ)

【インタヴュー】
人文系大学と人文学の将来について / 亀山郁夫
国立大学法人化のジレンマ / 野家啓一
【討議】
大学の困難 / 岩崎稔+岡山茂+白石嘉治
【転換】
大学という名の廃墟をあとにして 東京都立大学問題から見る〈文化〉と〈抵抗〉 / 初見基
【理念】
大学の名において私たちは何を信じることを許されているのか
 ジャック・デリダの大学論における信と場の問いから / 西山雄二
大学改革の日仏比較と学長たちの惑星的思考 / 岡山茂
【困難】
国立大学の 「選択と集中」 運営費交付金削減の現在 / 小沢弘明
日本の研究教育力未来のために 競争的施策の課題 / 竹内淳
【院生】
高学歴ワーキングプアが照らす大学の闇 / 水月昭道
院生サンディカリズムのために / 白石嘉治
群れを呼ぶ大学院生たち 反洞爺湖サミット運動とキャンプ大学 / 仲田教人
【可能性】
大学は死んだ。地下大学が始まる。 / 平井玄
今夜、講義がある 連続講義 「大学の夜」 という実験 / 永田淳

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