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【報告】第一回「障害と共生」研究会 <ピアサポートとは何か-ピアの役割と関係性->

2018.10.04

2018年8月5日(日)に、第一回「障害と共生」研究会が開催されました。

 記念するべき初回の研究会ですが、三鷹市の社会福祉法人 巣立ち会より、精神疾患の当事者の方々に支援活動を行われているピアスタッフの黒川常治氏をお招きし、<ピアサポートとは何か-ピアの役割と関係性->というタイトルで講演をしていただきました。


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 講演の前半では、ピアスタッフの特徴として「似たような経験をしている事による、相手とのほど良い距離感」「当事者本人に近いリズムを持っており、安心感を持たれやすい事」等を挙げられ、精神科病院に長期入院中の方の中には、外出先で自分のお金で購入した物であっても「飲んで良い?」「食べて良い?」と行動の許可を一つ一つ求める方や、「自分の事を話して良いとは思っていなかった」と仰られる方が多い事を踏まえ、精神疾患の当事者の方の<主体性の回復>に、ピアスタッフとの関係性が大きく影響を与える可能性を述べられました。
 講演の後半では、支援チームの一員にピアスタッフが加わり、専門職の支援者と連携する事の意義について、黒川氏がデザインされたイラスト図を元にご説明いただきました。精神疾患の当事者の多くが、過去の辛い経験を持つ一方で、専門職は未来の生活を話題にする事が多いため、両者の間に齟齬が生じてしまいがちですが、ピアスタッフが潤滑油の役割を果たし、両者の齟齬を解消させうることを、当事者研究・認知行動療法・マインドフルネス等との関係も踏まえながら、お話いただきました。


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 最後の質疑では、こまば当事者カレッジの受講者や専門職の支援者を中心に、「ピアサポートの理念を、メディカルスタッフ全体が持つ必要性を感じた」などの感想や意見が得られ、今回の研究会は、これまでの精神科医療の問題を乗り越え、より良い精神保健福祉の在り方を考える上で、貴重な機会となりました。

(文責:田中慎太郎)

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