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【報告】P4Eワークショップ:子どものための哲学対話—Philosophy for Children—

2015.07.28 梶谷真司, 阿部ふく子, 安部高太朗, Philosophy for Everyone

 2015年7月25日(土)、東京大学駒場キャンパス21KOMCEE 303を会場に「P4Eワークショップ:子どものための哲学対話—Philosophy for Children—」が開催されました。本ワークショップは「NPO法人こども哲学・おとな哲学 アーダコーダ」主催、対象を4歳から6歳までの未就学児およびその保護者として行われました。

4歳から6歳の子どもたち11人が3つのグループにわかれ、保護者の方は一つのグループにまとまって、あわせて4つのグループでの哲学対話イベントになりました。こどもたちには、3つのグループで、男の子だけ、女の子だけが固まったりしないようにしてくださいと声をかけてみましたが、女の子は女の子、男の子は男の子同士のグループを作って対話がスタートし、未就学児でのグループづくりの特徴を感じる結果となりました。

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対話のテーマは、6月に実施された「こどものための哲学対話」につづいて、絵本や紙芝居などの素材を用いずに「ペット」「旅行」「愛」の中から、それぞれのグループが好きなものを選んで対話をすることにチャレンジしました。

結果的にこどもたちのグループでも、おとなのグループでも、旅行をテーマにした話が共通していたのが興味深かったです。こどものグループでは、男の子のグループで「愛」に興味があるものの、語りたくないという声がきこえてきたり、「ペット」の話をしていたはずが、いつの間にかペットのうんちの話になってしまったりと、こどもたちの選んだテーマから一歩踏み込んだところにある本当の興味がかいま見えるところもありました。

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おとなグループには40分間の対話を通しで、こどもグループには、15分間の対話を2回それぞれ実施しました。こどもグループの2回の対話の合間には、フルーツバスケットのゲームを挟んで、身体を動かしたり、発言をしたりする時間を取りました。

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イベントの最後には、親子全員で大きな輪をつくり、それぞれのグループでどのような話が展開したのかを、進行役(ファシリテーター)が発表しました。このような大きな輪を作っての振り返り、あるいは対話の共有は初めてでしたが、お互いの顔と子どもたちの一体感が感じられ、次回以降も取り組みたいと感じました。


川辺洋平(研究協力者/NPO法人こども哲学・おとな哲学 アーダコーダ 代表)
安部高太朗(RA研究委員/東京大学大学院博士課程)

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