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【報告】P4Eワークショップ:子どものための哲学対話—Philosophy for Children—

2015.04.07 梶谷真司, 川辺洋平, 土屋陽介, 神戸和佳子, 安部高太朗, Philosophy for Everyone

2015年3月28日(土)、東京大学駒場キャンパス21KOMCEE 402を会場に「P4Eワークショップ:子どものための哲学対話—Philosophy for Children—」が開催されました。本ワークショップは、梶谷真司氏(東京大学教授 UTCP)をオーガナイザーに、川辺洋平氏(NPO法人 こども哲学・おとな哲学 アーダコーダ 代表)を講師に迎えて、対象を4歳から6歳までの未就学児およびその保護者20組と限定して行われました。

そもそも未就学児において、哲学対話というものが成立するのか——。
日本国内でも報告事例が多くない未就学児とその保護者を対象とした哲学対話を実践しました。

集まった20組を超える親子に、まずは10分間の映像を鑑賞していただきました。
その後、映像を見て感じたこと、面白かったことなどを円く座って話す時間を20分とりました。
この時、保護者は保護者だけで円を2つ作り、子供は子供だけの円を4つ作りました。

結論からいうと、疑問を複数あげ、そこから問いを決める手法は未就学児のグループでも実践できました。
また、みんなで決めた問いではなく、ファシリテーターが問いを投げる手法でも、対話は成立しました。
それぞれのグループで、異なる問いが発展し、20分では足りないという声が多く聞こえました。

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一方、15分を経過したあたりで、身体を動かしたくなる子どもが多いことも発見でした。
ファシリテーターのひざに乗ったり、少し円座から離れたりする時間を持つことで、また円に戻ってくる様子が見られました。
この様子から、対話の中に"身体を動かす"要素があるとよいかもしれないという進行役の報告もありました。

全てのグループで対話が終了すると、各グループの進行役から、どんな対話がなされたのか報告がありました。
大人も子どもも、楽しかった、もっとやりたいという声が多く、対話イベントとして成立したと感じられるものでした。

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参加した保護者からは、「子どもたちがどんな話をしているか親としてきいてみたかった」という声も頂きました。
親がきいている、という状況で、子どもたちが発言する態度にどのような変化があらわれるかも興味深いです。

今後も、定期的に開催することで、子どもたちに合わせた対話のスタイルを探求してみたいと思います。

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川辺洋平(研究協力者/NPO法人こども哲学・おとな哲学 アーダコーダ 代表)
安部高太朗(RA研究委員/東京大学大学院博士課程)

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