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時の彩り(ラスト・ラン) 164-1

2014.06.30 小林康夫

★先週は、わたしにとっては今学期の「山場」でした。今日明日と2回にわけてブログを書きます。


★(パリの空の下、ポエジーは流れて・・・)
まず、この写真をごらんください。まるでマルグリット・デュラスの映画の一シーンみたいではありませんか。

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しかしこれは駒場博物館の入り口。先週月曜に、「《終わりなきパリ》、そしてポエジー」展の会場でシャンソンのコンサートを行いました。駒場でフランス語を教えている先生方にお願いして、ジャコメッティのパリの空間に、その当時のシャンソンのいくつか、立ちのぼらせたいと思ったのです。ここに写っているのはパトリック・ド・ヴォス先生、フランソワ・ビゼ先生、ベアトリクス・ファイフ先生、それにわたし。さらにファイフ先生(彼女もプロですけど)の連れ合いのMarkiさんというミュージシャンに伴奏をお願いしました。駒場教授会からも、増田先生、山田先生、鈴木先生、桑田先生が駆けつけてくれて、それぞれ自慢の喉を披露した次第。わたし、ほんとは歌えない人なのですが、ブラサンスの「幸せな愛はない」を歌っただけではなく、ミラボー橋を熱唱までしてしまった。ちょっと新しいオリジナル解釈を入れてね。思い残すことはありません。「日々はすぎさり、わたしはとどまる」です。夜が来て、刻が鳴るのもオーケーです。

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★なお、この展覧会は、昨日29日午後18時で終了しました。5000人を超えるお客さまに観にきていただきました。デュシャンの大ガラスがあんなにシアワセそうな表情で立っていたのもなかなかないこと。自分で言ってはいけませんが、美しい、パリ的に美しい空間だったと思います。つねにそうなのですが、その終わりがあるもののなかにある「終わりなき」ものの美しさを惜しみます。
みなさま、ありがとうございました。わたしの人生の「幸福」の一場面ではありました。Merci。

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