【刊行】西山雄二編『人文学と制度』
西山雄二編『人文学と制度』(未來社、2013年)が刊行されました。
同書は、UTCPの短期教育プログラム「哲学と大学」の成果である『UTCP叢書3 哲学と大学』(西山雄二編、未來社、2009年)の続編に当たるものであり、UTCPの現メンバーからは小林康夫、星野太、文景楠が執筆者・翻訳者として寄稿しています。
西山雄二編『人文学と制度』(未來社、2013年、税込3,360円、422頁)
学問が有意性・適切性の審級にさらされ、経済主義的論理への応答を求められる現代において、世界の人文学者はなにを考え、いかなる未来を描くのか。社会的制度としての大学を根源的に問い、さらなる哲学の実践を提示する。(未來社の紹介ページより)
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序論 人文学と制度(西山雄二)
第一部 人文学と制度
ヒューマニズムなきヒューマニティーズ――サイード、フーコー、人文学のディアスポラ(宮﨑裕助)
アメリカ合州国の人文学(酒井直樹)
アメリカの文化戦争にみる「哲学」への問い――「哲学を愛すること」と「ポスト哲学」(藤本夕衣)
ネオ・リベラルの大学改革と人文学の危機――ドイツの現状報告(小林敏明)
社会人文学の地平を開く――その出発点としての「公共性の歴史学」(白永瑞)
不穏な人文学宣言(鄭晶薫・崔真碩)
人文科学と制度をめぐって(小林康夫)
人文学の現状と将来・私見(熊野純彦)
日本のキリスト教大学における神学と制度――青山学院大学の場合(西谷幸介)
第二部 哲学と大学
大学――知と非-知(ジャン=リュック・ナンシー)
技術と人文主義について(テオドール・W・アドルノ)
特権としての教養――大学の統治と自律をめぐる争い(大河内泰樹)
大学とグローバリゼーション――近代の大学における三つの変容と啓蒙の放棄(フランシスコ・ナイシュタット)
婉曲語法、大学、不服従(アレクサンダー・ガルシア・デュットマン)
哲学への権利と制度への愛(西山雄二)
耳の約束――ニーチェ『われわれの教養施設の将来について』における制度の問題(藤田尚志)
主体と制度を媒介する哲学教育――ドイツの哲学教授法の展開から(阿部ふく子)
シンポジウムとは何か(アルノー・フランソワ)
第三部 人文学の研究教育制度
ポンティニーからスリジーへ――ポンティニーの旬日会とスリジー=ラ=サルのコロック(星野太)
亡命大学――ニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチ(西山雄二)
フランクフルト社会研究所の歴史と現在(宮本真也)
社会史国際研究所(斎藤幸平)
地下大学――社会主義時代チェコスロヴァキアにおける哲学(杉山杏奈)
哲学カフェと哲学プラクティス(本間直樹)
研究空間〈スユ+ノモ〉(今政 肇)
哲学の危機と抵抗――イギリス・ミドルセックス大学哲学科(西山雄二・宮﨑裕助)
エラスムス・ムンドゥス――修士課程プログラム「ユーロフィロソフィー」(長坂真澄)