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時の彩り(つれづれ、草) 142

2011.11.16 小林康夫

はやひと月近く
 前回のブログはわたしにしては珍しく旅の空、フリブールからの送信でした。

その後、帰国して数日にして、別の仕事の関係もあって、南三陸・気仙沼・陸前高田を訪れる旅をしました。瓦礫は片付けられているとはいえ、破壊の痕跡はすさまじく、写真で見るのと現場に立って見るのとはまったくちがうこと。声もなく立ちつくしていました。

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 同時にこの間は、海外から訪れた研究者との濃密な対話の時でもありました。今年になってお会いするのが4回目(しかもハワイ、コークと半分は海外でした)というカスリス先生との夕食は例外で、あとはみなさん、はじめてお会いする方ばかり、ドムナクさん、キュセさん、ベンスーサンさん、そしてこれは日仏学院が舞台でしたが昨夜のヴァジュマンさん、それぞれ趣の異なる対話を楽しみました。

 でも、こういうことを10年間ずっとやってきて、そろそろわたし自身にとっては潮時かなあ、と思わないわけでもない。外国語で、しかも対等の立場でほんとうの「対話」をするという実践をやってきたわけだけど、そろそろこのバトンをどなたか別の方に渡したいという思いがよぎりますね。いや、特に疲れているというわけではなく、自分にとっての「時間の使い方」を少し変えるべきだろうと思うだけです。グローバルCOEとしての活動が今年度でちょうど終了することをひとつの区切りとして考えはじめています。

 とはいえ、この10年間の活動を通して、世界の人文科学の世界できちんと認知され評価されたUTCPですから、来年度以降もそのセンター機能は、たとえ規模が小さくなっても保持するべきだと思っています。そのことを大学のみなさんにお願いすることにしています。

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