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【掲載】中島隆博「現代中国政治思想史の誕生」ほか―王前『中国が読んだ現代思想』書評

2011.09.26 中島隆博, 王前, 出版物

UTCP事業推進担当者の中島隆博さんによる書評「現代中国政治思想史の誕生」が東京大学出版会の雑誌UPの2011年9月号に掲載されました。

これはUTCPの共同研究員の王前さんが著した『中国が読んだ現代思想―サルトルからデリダ、シュミット、ロールズまで』(講談社, 2011)についての書評です。

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【書誌情報】
中島隆博. 2011. 現代中国政治思想史の誕生―『中国が読んだ現代思想―サルトルからデリダ、シュミット、ロールズまで』. UP, 第467号, 37-44頁, 東京大学出版会.

中島隆博さんはこの書評のなかで、王前さんが『中国が読んだ現代思想』でチャレンジしていることを「政治思想史を、ここ三〇年間の中国を対象として構築し、相対主義を越えた規範性を示すことなのだ」(38頁)と言います。それは「近代とは何か、とりわけ、東アジアにおける近代とはなにか」という問題と向きあわざるを得ません。その作業は東アジア特有の地理的・歴史的な難しさを背景として独特の困難があります。その独特な困難がどういうものなのか、それについては中島さんの書評の冒頭に印象深く綴られていました。ぜひUTをお読みになって頂ければと思います。

なお、
『中国が読んだ現代思想―サルトルからデリダ、シュミット、ロールズまで』の書評は中島さんのUPに載ったものだけではなく、ほかにもいくつかのメディアで取り上げられています。

2011年7月31日付の『中国新聞』朝刊特集6頁の読書欄には、社会学者の高原基彰さんの書評が掲載されています。中国の社会へもたらされた思想という側面を文化的・社会的な観点でクローズアップした論述がなされています。

2011年8月14日付の『日本経済新聞』の20面の読書欄には、「「自由」得た人々の切実な受容史」と題した書評が掲載されています。そこでは、中国における思想の受容と社会の開放の可能性が現代日本における閉塞感とパラレルに捉えられていて、「日本にもまた、思想が必要だ」(同新聞)と結んでいます。

また、『週刊読書人』2901号の4頁には青山学院大学の阿部崇さんによる「人文学に関わる人に必読―考えるべき問題を多く提示」と銘打たれた書評が掲載されています。思想の内容に踏み込んだ解説ともに、阿部崇さんが実際に中国人思想研究者との交流のなかで体験したコンフリクトが印象深く綴られています。

中澤栄輔(特任助教)

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