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時の彩り(つれづれ、草) 105

2010.05.18 小林康夫

人々②(Abdolrahim Gavahiさん)

 先週の5月11日、朝、メーラーをあけると、イランの元駐日大使で現在はイランのアカデミーの会員、比較宗教学の権威であるガヴァヒーさんが会いたいと言っているというメール。どうやら日本の旭日重光章という勲章を受けるために来日しているらしく、滞在中に日本の学者にも会いたいということらしい。われわれUTCPの活動を知って興味を持ってくださったようで、それならば、とその日の午後、書きかけの原稿は放り出して、東京プリンスホテルへ。UTCPからは守田さん、あとからは阿部さんにも来てもらったが、1時間半近く、主にアブラハムの宗教をめぐって議論。ガヴァヒーさんも日本の神道や仏教にも詳しく、話は盛り上がりました。テヘランにぜひ来てくれ、というお誘いもあり、来春くらいには、詩と宗教の比較文化論をテーマに小さなセミナーでも開きたいなあ、と思っています。

人々③(Bruno Birolliさん)

 15日の土曜は、フランスから来たLe Nouvel Observateur誌の記者であるビローニさんと会って会食。これは、3月にレジス・ドゥブレ氏が来日したときにホストのフランス駐日大使からのお誘いで出かけた時にお会いした、新聞のFigaroの特派員のアルノーさんからの紹介。驚いたのは、ビローニさんは、ヨーロッパのTVのArteのために、石原莞爾についての長編ドキュメントをつくるための取材で来日ということ。こういうテーマに興味をもって作品をつくるということに感動して、わたしはもちろんこの分野のことはよく知らないのだけど、お会いして、一献差し上げたという次第。アルノーさんもいらして、3人で日本のファシズムと世界のファシズムの同時性についてかなり激しい議論をしました。

ほんとうに世界のいろいろな人が対話というか、議論を求めています。それに答えようとすることが、ひとつの使命と思って出かけていくのですが、そしてそれぞれ楽しくスリリングなんですけど、でも、どうなんでしょうねえ?と思うときがないわけでもありません。
 

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