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時の彩り(つれづれ、草) 073

2009.07.31 小林康夫

☆ 夏のNota Bene (1)

これは去年の夏、このタイトルでブログを書こうと思っていて果たせなかったものの再挑戦。実は、わたしが20歳頃にこのタイトルでわけのわからないノートを書いていたそのことを思い出して。フランス語を勉強しにアテネ・フランセに通ってそこでこの「nota bene」というのを覚えたというのが起源ですね。

ピナ・バウシュに続いてマース・カニングハムの訃報も。マースともなぜか10数年前に大阪のキリンホールの舞台で話をしたことがあった。3年前だったか、かれが世界文化賞を三宅一生さんやピアニストのアルゲリッチさんらと受賞したときのセレモニーの会場で車椅子のマースに一言お祝いを述べたのが最後だったか。なんだか自分となじみのある世界がどんどん消えていってしまうようなさみしさがぬぐえないが、来年の2月にはわたし自身も還暦なのだから当然というべきかもしれない。
 
 
今週は、山中湖にある東大山中寮が全面的に建て替えられて「山中寮内藤セミナーハウス」としてオープンしたその記念式典とそれに続く内藤塾の講師としてセミナーを行ってきた。この建物が内藤進さん(リンナイ代表取締役会長)のご寄付によるもので、その名を記念したセミナーがはじまることになったというわけ。

その第1回は内藤さんご自身も講師で日本の教育論をお話になり、それを受けるように翌朝、わたしが世阿弥をベースに「初心」についてセミナーを行った。この建物、工学系研究科の岸田省吾教授の設計だが、山小屋風でなかなかすてき。海外の研究者を招いて合宿を行っても恥ずかしくない空間で、100名は入るセミナールームやマルチパーパス空間も二つある。UTCPでもいつか使ってみたいもの。

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