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【報告】ワークショップ「暴力の記憶と小説の現在」

2008.10.06 └インターメディアリティへの接近, 高榮蘭

  「2008年 英国・オックスフォード大学における小林多喜二記念シンポジウム」の開催期間中に、UTCPプログラムの枠でワークショップ「暴力の記憶と小説の現在」を行った。

 9・11以後、GHQによる日本への占領の記憶が召喚されることが多くなってきているが、この現象は、メディア言語、小説の言語、批評の言語をめぐる状況だけではなく、アカデミックの領域における歴史の相対化の問題と連動していると考えている。
 今回のワークショップでは、「9・11」前後に注目を集めた小説を取り上げ、装置としての「暴力の記憶」について考えるために、とりわけ、「アメリカの表象(占領の記憶を含む)/植民地主義/天皇の身体/セクシュアリティ」という言葉に注目しながら議論を行った。三人の発表者と取り上げたテクストは以下の通りである。

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  Adrienne Carey Hurley(カナダ・McGill大学)
            :星野智幸『ロンリー・ハーツ・キラー』(2004年、中央公論新社)
 内藤千珠子(大妻女子大学):中島京子『FUTON』(2003年、講談社)
  高榮蘭(UTCP):阿部和重『シンセミア』(2003年、朝日新聞社)
  このワークショップは、多喜二シンポジウムの企画者である女子美術大学の島村輝教授とUTCPの中島隆博教授の協力を得て実現したものである。

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