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【報告】トランスアクションとしての医学と他律的近代化

2008.09.30 市野川容孝, UTCP

2008年9月20日、「トランスアクションとしての医学と他律的近代化―ドイツ、日本、コリア、台湾」が開催された。

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Transactionとは、J・デューイが、複数の主体の分離や自存を前提としたInteractionに対比させながら、それらが派生する源としてのダイナミズム全体を把握するために提示した概念である。国民国家の枠組みに医学を封鎖して出発するのではなく、ドイツ、日本、コリア、台湾等々を貫き、横断していく医学の運動を見すえること。同時にまた、医学を一つの窓としながら、近代化を、自律的というよりは、むしろ他律的なプロセスとして、少なくとも他者に巻き込まれ、また他者を巻き込む運動として理解すること。他律的近代化は、非西洋圏にとって一つの運命であったが、西洋もまたその近代化のために、他者を必要としていたと言えるだろう。本国際セミナーでは、ドイツ、日本、韓国、台湾の研究者からの問題提起を受けながら、このような理解の妥当性が検討された。

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また、その記録集はUTCP Bookletとして2009年春に刊行予定である。
Yasutaka Ichinokawa et al.(eds.), Transaction in Medicine & Heteronomous Modernization. Germany, Japan, Korea and Taiwan, UTCP Booklet 9.

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