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時の彩り(つれづれ、草) 036

2008.06.11 小林康夫

☆ 草草(「未来」08年6月号)

未來社刊行の月刊小誌「未来」に、わたしは「思考のパルティータ」を連載させてもらっていて、この原稿を書くのが、実は毎月なかなかの責め苦であるのだが、それはともかく、今月号は、その巻頭を3月までUTCPのPDであったデンニッツァ・ガブラコヴァさんのエッセイ「『雑草』という方法――近代日本への一つの接近」が飾っている。

すでに博士論文としてまとめられた「雑草研究」!がどのような不思議な、狭い道を通って可能になったのか、魯迅から漱石、与謝野晶子、さらには大庭みな子、津島裕子、日野啓三へとつながり、のびていく彼女の研究の優雅に野性的なスタイルのエッセンスが辿りなおされている。オフィスに多少、残部があるので希望の方にはお頒します、どうぞ。

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(なお、この号、ガブラコヴァさんにつづくのは、シーンレスのエッセイスト・三宮麻由子さんのいつも心洗われる至極のエッセイ、さらには松本直子さんの木地師入門を語るエッセイ。女性たちのこの3連エッセイ、それぞれの「世界」が際立っていて迫力がありました。パルティータくらいではかなわない……まあ、負けてうれしいはないちもんめ、みたいな感じだが)。

なおなお、ガブラコヴァさんの企画で、まさに「雑草」の木彫をなさるアーティストの須田悦弘さんを招いたUTCP企画が来週あります。こちらにもどうぞおいでください。

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