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ドゥルーズに関する講演―R・ピナスとD・ラプージャッド

2007.10.26 時代と無意識

ドゥルーズの学生にして友でもある音楽家リシャール・ピナス氏、ドゥルーズの思考集成の編者D・ラプージャッド氏による講演が10月23、24日と開催された(写真はピナス氏)。

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 UTCPドゥルーズ週間とでも言うべきか。23日にはリシャール・ピナスさんのトーク、次いで(これはUTCP主催ではなかったが)ダヴィド・ラプジャードさんの講演「ドゥルーズ:出来事の哲学」が行われた。

 ピナスさんは、作曲家として有名、講演というよりは、リオタールとドゥルーズとに学んだその哲学の経験を、ときには現代の音楽の「装置」の問題にも関連させながら話してくれた。わたしは、自分自身がリオタールのもとにいた70年代ヴァンセーヌという「時代」を思い出しながらなつかしく対話できたのが楽しかった。最後に、かれがドゥルーズ哲学の「コスモスの神秘学」について触れたのが印象的だった。

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 反対に、翌日の若いラプジャードさんは、ドゥルーズの「使徒」の趣。その「出来事」の哲学を、なんと「構造」と結びつけて論じたのがポイント。しかし、「出来事」を説明するのにかれが持ち出したジャコメッティの顔の経験は、わたしにはドゥルーズよりは、ブランショ的な問題圏のように思えて、どこか齟齬があった。後の議論でもそのあたりの「ずれ」をめぐっての質疑が多かったように思う。ラプジャードさんはドゥルーズ哲学の内在性に最後までこだわっていて、そこがピナスさんと少し違うニュアンスか。わたしとしては、来週30日夜のセミナーで、表象文化論博士課程の千葉さんの準備した資料に基づいてドゥルーズ哲学についてもう少し考えてみるつもり。ドゥルーズ週間は続く…… (小林康夫)

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