【報告】こまば当事者カレッジ2019年度冬期コース第2回「シエンはつらいよ~支援を受けることの息苦しさ/治療の権力構造/人間性という発明~」
2月11日、こまば当事者カレッジ冬期コース「ひきこもりと居場所」の第2回として、「シエンはつらいよ~支援を受けることの息苦しさ/治療の権力構造/人間性という発明~」というテーマでレクチャーおよびワークが開催されました。
ピアサポートグループ代表の園田章さんを講師としてお招きしました。園田さんは本学のOBで、不登校・ひきこもりの当事者であったこともあります。レクチャーでは、園田さんにご自身の経験を切り口に、今日の支援の問題点(なぜ多くの当事者は、居場所にも来てくれないし、支援の対象となることに息苦しさを感じるのか)について、分かりやすく説明していただきました。
具体的には、①社会的マイノリティである当事者の行動や考えが、マジョリティによって抑圧されがちなこと、②そうした抑圧は「覚せい剤やめますか?それとも人間やめますか?」という広告があったように、〈非人間的〉というレッテル貼りを通して行われやすいこと、③そうしたマジョリティによる恣意的なレッテル貼りがあるおかげで、支援者が良かれと思って支援をしても、社会全体では支援の対象になること自体がスティグマ(烙印)となり、当事者が人間扱いされていないと感じてしまうことを学びました。
ワークでは、こうしたレクチャーの内容を踏まえた複数テーマでディスカッションおよびリフレクティングワークを行いました。当事者や支援者のみならず様々な立場の参加者同士が意見を交わしたことで、レクチャーへの理解が深まったり、支援に対する新たな問題などが浮き上がったりと、非常に充実した回となりました。(報告:遠藤)