【刊行】初期仏教 ブッダの思想をたどる
東洋文化研究所准教授の馬場紀寿氏が、岩波書店より『初期仏教 ブッダの思想をたどる』を刊行しました。
岩波書店HPより
内容紹介
2500年前、「目覚めた者」が説いたのは、「自己」と「生」を根本から問い直し、それを通してあるべき社会を構想する思想だった。その教えは、古代インドのいかなる社会環境から生まれてきたのか。現存資料を手がかりに、口頭伝承された「ブッダの教え」に遡ることは可能か。最新の研究成果を総動員して、仏教の原初の世界をさぐる。
目次
はじまりの仏教
第一章 仏教の誕生
1 アーリヤ人の社会
2 都市化が新思想を生んだ
3 ブッダと仏教教団
4 ブッダのインド思想批判
第二章 初期仏典のなりたち
1 仏教の変容
2 口頭伝承された初期仏典
3 「法と律」から「三蔵」へ
第三章 ブッダの思想をたどる
1 結集仏典の原形をさぐる
2 諸部派が共有したブッダの教え
3 初期仏教の思想を特定する
第四章 贈与と自律
1 順序だてて教えを説く
2 「行為」の意味を転換する
3 社会をとらえ直す
第五章 苦と渇望の知
1 四聖諦と縁起の構造
2 主体の不在
3 生存の危機――苦聖諦
4 生存を作るもの――苦集聖諦
5 生存の二形態
第六章 再生なき生を生きる
1 「自己の再生産」を停止する
2 再生なき生――苦滅聖諦
3 二項対立を超える道――苦滅道聖諦
4 「アーリヤ」の逆説的転換
ひろがる仏教
あとがき
引用経典対照表/主要参考文献
付記 律蔵の仏伝的記述にあるブッダの教え/図版出典一覧