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【刊行】精神障害を哲学する 分類から対話へ

2018.09.25 石原孝二, 出版物

東京大学総合文化研究科准教授の石原孝二が東京大学出版会より『精神障害を哲学する 分類から対話へ』を刊行しました。

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東京大学出版会HPより

主要目次

はじめに

  第I部 狂気と精神医学の哲学

第1章 狂気と理性
   1 古代のギリシアとローマにおける狂気と哲学
   2 共通感覚の概念
   3 狂気と理性の他者
   4 ロックと共通感覚
   5 カントによる「あたまの病気」の分類の試み
   6 感覚の錯覚と理性の欺瞞
   7 他者の視点の取得と共通感覚
   8 狂気と理性的主体

第2章 近代の疾病概念と精神医学の成立――精神医学はなぜ常に「遅れている」のか
   1 シデナムの疾病概念
   2 存在論的な疾病概念の否定と器官‐機能主義
   3 局在論者と器官‐機能主義
   4 病原体理論の確立と存在論的疾病概念
   5 一八世紀後半以降における狂気の分類体系の整備
   6 「精神医学」という語の登場
   7 専門分化と病院――精神医学の専門化は遅れたのだろうか
   8 クレペリンの疾病概念

第3章 生物学的アプローチと精神病理学
   1 脳機能局在論
   2 脳機能局在論への反応
   3 ヤスパースと現象学的精神病理学――精神障害をもつ人の経験を理解するとはどういうことなのか
   4 現象学的精神病理学の展開と限界
   5 薬物療法と精神病理学

  第II部 精神障害の概念と分類

第4章 認知症、統合失調症、自閉症の系譜学――統合失調症と自閉症はなぜ重要な精神障害となったのか
   1 知的障害と認知症
   2 統合失調症の概念形成
   3 統合失調症とスティグマ
   4 自閉症の系譜学

第5章 DSMとICD――精神障害を分類する試みの現代史
   1 ICD‐6における「精神および行動の障害」の章の登場
   2 DSM‐IとDSM‐II
   3 DSM‐IIIと記述的アプローチ
   4 潜在的に生物学主義的な医学モデルと新クレペリン主義
   5 スピッツァーによる非生物学主義的な医学モデルと精神障害の定義
   6 DSM‐5とディメンジョナル・アプローチ
   7 DSM/ICD体系の終焉(?)とRDoCプロジェクト

第6章 精神障害の哲学――「自然種」と「有害な機能不全」モデル
   1 精神障害は自然種か
   2 自然種とボイドのHPC種
   3 クーパーの自然種概念
   4 ウェイクフィールドの「有害な機能不全」モデル
   5 個人化モデルとしての機能不全モデル

第7章 同性愛と精神障害の概念
   1 精神障害の定義の諸条件
   2 同性愛をめぐって

  第III部 地域精神医療と当事者

第8章 地域精神医療と対話的アプローチ
   1 生物・心理・社会モデル再考
   2 精神病院の位置づけの変化
   3 脱施設化と地域精神保健への移行
   4 イタリア・トリエステモデル
   5 オープンダイアローグ
   6 オープンダイアローグとニード適合型アプローチ
   7 オープンダイアローグを支える制度と研究

第9章 当事者による活動
   1 Alleged Lunatics’ Friend Society
   2 ピアサポート/セルフヘルプグループ
   3 Consumer/survivor運動――解放とケア
   4 リカバリーの思想

第10章 当事者研究のインパクト
   1 「当事者」の概念
   2 当事者研究の誕生
   3 当事者研究のコンテクスト
   4 当事者研究と現象学
   5 反精神医学と当事者研究
   6 当事者研究の展開
   7 当事者研究の意義

終 章 精神障害と精神医学の行方

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