【刊行】差別はいつ悪質になるのか
法政大学出版局より『差別はいつ悪質になるのか』が刊行されました。
本書はデボラ・ヘルマン氏の著作を、元UTCP特任研究員で現明治大学准教授である池田喬氏が堀田義太郎と共に翻訳したものです。
サピエンティア54『差別はいつ悪質になるのか』
序 論 差別の難問
第Ⅰ部 差別はどんなときに不当であるのか
第一章 基本的な発想
「差別」
発想を促す
悪質でありかつ差別であるとしても悪質な差別ではない
歴史と現在の社会的地位──その何が問題なのか
反カーストと不均衡な負担
社会的事実としての差別
文脈と文化が一定の区別を貶価にする
なぜ貶価なのか
貶価で十分か
個人的な不正
第二章 貶価することと悪質な差別
貶価するとはどういうことか
文脈と慣習
いくつかの例の考察
〈慣習的意味〉対〈慣習的実践〉
貶価することは本当に平等の問題なのか
貶価するというだけで本当に十分なのか
貶価することはすべて不当なのか
カナダ法による尊厳の認定
この見解を位置づける
結論
第三章 解釈と不一致
特定の慣行が貶価するかどうかをいかにして決定するのか
問いの本性
不一致
客観性とは正確には何であるのか
補足──〈タイプ客観性〉対〈トークン客観性〉
解釈的判断の客観性
穏当な客観性に対する穏当な提案
客観性についての特別な懸念
見解の不一致
内部にいる人だけがアクセスできる
文化的ヘゲモニー
第Ⅱ部 差別の難問に対する別の解決案を検討する
第Ⅱ部への序論
第四章 実績・権原・功績
実績とは何か
〈常識的な意味での実績〉対〈構築された実績〉
実績と権原、あるいは功績
実績と効率性
実績と功績
弱い主張──実績による報酬は常に道徳的に許容可能である
実績および、貶価する差異化と実績の結びつき
第五章 正確さと不合理性
不平等を永続させる──許容不可能、あるいは道徳的に問題のある合理的分類
無能さと愚かさ──不正確さだけでは平等に対する侮辱にはならない
正確な代理指標を用いることの失敗
全員を同じように扱うことの失敗
正確さを考慮する予防的理由
適合をきつくすること
純粋な恣意性
結論
第六章 問題は思想にあるのか
意図とは何か
意図と同一化
なぜ私とは別の仕方で考えるのか
必要でも十分でもない
表面的差別・差別的効果・意図
私的なバイアス
意図と評価
差別的意図の関連性
標的
目標
貶価することと意図すること
結論
結論
謝辞
訳者あとがき
注
索引