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【報告】「东西文明的交错与中国哲学:围绕《The Path》与普鸣教授对话」

2017.10.31 石井剛

さる2017年10月15日(日)、東京大学駒場キャンパス18号館4階コラボレーションルーム1において、国际学术工作坊「东西文明的交错与中国哲学:围绕《The Path》与普鸣教授对话」(International Workshop “Interaction between Eastern and Western Civilization and Chinese Philosophy: A Dialogue with Michael Puett on The Path”)が開催された。

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今回のワークショップの題にあるマイケル・ピュエット(Michael Puett、中国語では普鸣)氏は、ハーバード大学東アジア言語文明学部ウォルター・C・クレイン講座教授を務め、哲学・人類学・歴史・宗教の相互関係に焦点を当てながら、中国哲学研究をより大きな歴史的・比較的な枠組みへと進めようとしている。彼の中国哲学に関する学部授業は大きな評判を呼び、その講義に基づいた著書、The Path (New York: Simon & Shuster, 2016。Christine Gross-Lohとの共著)は25か国でそれぞれの言語に翻訳され、日本語(『ハーバードの人生が変わる東洋哲学』、早川書房、2016年)、韓国語(더 패스: 세상을 바라보는 혁신적 생각 、김영사 、2016)、中国語(《哈佛中国哲学课》,中信出版集团,2017年)の訳書も公刊されている。

こういった契機によって開かれることになった今回のワークショップは、西洋思想・哲学研究の現場にて中国伝統哲学を講義するピュエット氏及びそのThe Pathという著作を対象として、日本・中国・韓国・シンガポールの研究者たちが集まって、各自の立場・経験から意見を述べ合うというものであった。当日のプログラムは、まず今回の招集人である石井剛氏(UTCP)が本ワークショップの縁起を紹介した。特に今回の「主役」であるマイケル・ピュエット氏との間のメールによる取りやりを説明した上で、事情で来られなくなったことに対するピュエット氏自身の遺憾の意を伝えた。

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続けて、参加者が5つのセッションにわたって、ピュエット氏の著書へのコメントを行った。まずは中山大学の陳少明氏と延世大学の白永瑞氏、次にUTCPの中島隆博氏と南洋理工大学の朴素晶氏、また中山大学の呉重慶氏、東京大学の小島毅氏と京都大学の森川裕貫氏、そして北京大学の楊立華氏、石井剛氏と延世大学の羅鍾奭氏、最後に明治大学の志野好伸氏と中国社会科学院の張志強氏という順番で発言は行われた。それらのなかでは、ピュエット氏の学問的背景、「礼」をキーワードとして中国哲学を再統合する試みの画期性、中国哲学による現代思想再考の有効性、東アジア各文化におけるピュエット氏の著作の位置など、多岐にわたって議論された。ラウンドテーブルでは、一橋大学の鈴木将久氏、UTCPの林少陽氏、東京大学の王前氏、鍾以江先生も加わってコメントを述べ、ワークショップは盛況のうちに幕を閉じた。

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数多くの参加者の意見が飛び交わう中で、ある共通性を強く感じた。それは、ピュエット氏の「礼」に関する言説が開いた中国哲学の可能性である。「礼」とは既存の秩序、規範だけでなく、礼儀への参与という実践の活動により、あらためて自分の思想と行為のパターンを確認するきっかけでもある。「礼」に則ってふるまうことは、自己の抑圧や偽善をもたらすのではなく、自分の役割をだんだん導き出していくプロセスである。「五・四新文化運動」の影響の下で長らく「礼」は「礼教」として捉えられていたが、「礼」自体にも既成のパターンへの批判精神が含まれているということについて、今回の議論のなかでは、何度も述べられた。このような発想はいま流行っている「ありのままの自分に忠実」という自然的本性に基づく文化・社会のありさまに対して的確な批判になる一方、この「礼」の像を用いて、近代以来の東アジア歴史・思想を再発見のいとぐちを見いだすことにもつながるのではないかと思う。

(文責:胡 藤)

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