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【報告】「ママさん哲学サークル」

2016.06.29 梶谷真司, 八幡さくら, Philosophy for Everyone

6月19日(日)にママさん哲学サークルの結成会が開催され、お母さんだけでなく、お父さん、学生、男女既婚未婚を問わず、様々な世代の人たちが50人ほど参加した。子連れ、家族での参加も多く、会場には小さな子どもたちが大勢走り回り、はしゃいでいるという、哲学のイベントにはなかなか見られない光景であった。

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まず梶谷真司氏がUTCPのL3プロジェクト「Philosophy for Everyone(哲学をすべての人に)」のこれまでの活動と、ママ哲サークルを始めようと思った経緯について説明した。梶谷氏によれば、子育て中のお母さんたちは、子ども、ママ友、夫、自分、社会、今、未来といった様々なことについて、たえず問いにぶつかり、考えている。そういう意味でお母さんたちは、とても哲学に向いている、だからお母さんたちが一緒に集まって哲学の活動する場があったらいいのではないか、ということで今回の結成会開催に至ったとのことだった。

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次に、すでに様々な活動を行っているお母さんたちが報告を行った。中川知美さんは、小金井市公民館で行った「みんなで哲学なんでも哲学」について報告した。このイベントはUTCPの梶谷氏と協力して企画し、「絵本でてつがく」「子どもによる子育て相談室」「商店街へ行こう!」というテーマで3回にわたって行い、母親と子どもが一緒になって考え話す場を作った。尾崎絢子さんは、地元の小平市内で自らが主催する「はなこ哲学カフェ いどばたのいどほり」の活動について話した。彼女の哲学カフェは、主に乳幼児を持つ母親が子連れで気軽に参加できる場として機能しており、これまでに、ありのままの自分や親の愛情についてなど様々なテーマについて対話を行ってきた。現在、UTCPの研究協力者で哲学ドラマワークショップを行ってきた水谷みつるさんたちと協力して、身体を使った対話イベントの企画を進めている。堀田利恵子さんは鎌倉哲学カフェを主催するに至った経緯を話した。堀田氏は、障がい児・障がい者とのコミュニケーション活動支援や当事者研究について興味を持っている中で、哲学対話に出会い、鎌倉の古民家カフェで色々な人が参加して意見を述べ、聞く対話の場を作っている。森智子さんは新宿で様々な人々と朝カフェで対話を行っている。他にも朝クリスマスパーティーなどのイベントを行い、みんなで作る対話の場を提供している。川原真紀子さんは「対話って人生への態度」ということをテーマに、おじさんたちと英語で哲学カフェを行い、自身がママとなって話し合う場としてスナックバーを始めている。5人が報告を終えた後、フロアから自分も哲学カフェを始めたいというお母さんから質問が出て、哲学カフェを始めるにあたっての経緯や始め方などについて、発表者たちから応答があった。

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後半では、参加者全員で哲学対話を行った。三つのグループに分かれて、参加者がママ哲学に関する問いをいくつか出し、その中で一つに絞って、対話を始めた。ファシリテーターとして参加してくださった発表者の方もおり、活発な対話が行われた。対話が終わった後も、会場内でママ哲や哲学カフェに関する情報交換が行われ、盛況のうちに幕を閉じた。

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(文責:八幡さくら)

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