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【刊行】『コスモロギア 天・化・時』

2015.09.25 中島隆博

法政大学出版局より『コスモロギア 天・化・時』が刊行されました。

本書はUTCPの中島隆博が編者となっております。

cosmologia2015.jpg

法政大学出版局サイトより

本巻では、天・化・時の三つの概念に焦点を当てて、中国の宇宙論的想像力であるコスモロギアを概観していく。人間は天に大きく規定されながらもそれをはみ出し、変化に翻弄されながらも変化を統御し、時宜を得た判断を行って、この世界に善を実現しようとするものである。人間世界を規定する条件は何か。古典による転回を行いつつ、「近代」そのものを問い直し、現在の「知」について批評的であろうとする。新シリーズ、待望の第一巻刊行。

目次

総説 (中島隆博)
1 天、化、時
2 各章概観

第一章 天について (中島隆博)
1 孔子──天を怨まず
2 墨子──天の欲することをなす
3 孟子──人から天への通路
4 荘子──人は天を損なう
5 荀子──天の領分、人の領分
6 董仲舒──天人合一
7 王充──無為の天と有為の人
8 唐代の天論──天が乱れる
9 宋代の天論──天人相関の回復
10 明代の天論──理としての天を越えるもの
11 清代の天論──理としての天への批判
12 近代の天──西洋的普遍に直面して
13 現代の天──天下という中国的普遍

第二章 化について (本間次彦)
1 生成変化する世界と『易』
2 乾坤と易簡──『易』繋辞上伝第一章
3 無為と『易』──鄭玄
4 天地と三となる──『中庸』からの道
5 「天地の和」としての楽──『礼記』楽記
6 風を移し俗を易える──楽の効用
7 生成変化する世界を別様に表現する──『易』繋辞上伝第五章
8 陰陽と道──朱子・王夫之・戴震
9 日新と生生──張載
10 日新と生生、そして、鬼神──朱子・王夫之
11 修己から治人へ──教化の新たな構想
12 万物一体の仁──ドジョウとウナギの関係論
13 近代以降の新展開
14 『荘子』からの出発法
15 身体の操作的構築

第三章 時について (林文孝)
1 「時」は「時間の流れ」を意味しない
  1 「時に習う」とはいつ習うのか?
  2 『易』の時
  3 「時中」、「聖の時なる者」
2 「時間性」を表す概念は「道」ではないか?
  1 『老子』の「道」
  2 朱熹の「川上の嘆」解釈と「道」の姿
  3 「消息」
3 終末論について
  1 『皇極経世書』
  2 『太平経』
4 「古・今」、「過去・現在・未来」
  1 「古」と「今」
  2 中国における「過去・現在・未来」

余説
文化本質主義を越えて (中島隆博)
本文の余白に/から (本間次彦)
天と化についてのコメント (林文孝)

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