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時の彩り(ラスト・ラン) 173

2014.12.05 小林康夫

★ 前回、報告したパリの院生発表会は、東大側2名高等師範学校側2名の計4名の発表に、全体で5時間に及ぶ質疑討論講評と続く充実したものでした。時間が限られ、質問も制限される学会などとはちがって、とことん議論できる今回のセミナー方式こそ、教育の次元での、今後の国際連携の理想的なあり方なのでは、と痛感した次第です。発表した栗脇さん、大池さんにもたいへん大きな実りがあったと思います。こちらの依頼に、二つ返事で応答してくれて、このような会を組織してくれたドミニック・レステル教授に感謝!です。

★ 帰国して、日をおかずに、「芸術・文化による地域振興助成」の選考委員長をつとめている福武財団の成果発表会で別府へ。アートを軸にして過疎などの問題に悩む地域の活性化を行っている人たちの活動の実際を見聞きして、交流しましたが、わたしが楽観的に考える以上に、日本の各地における人口減少はきびしく、このままでは数十年以内に消滅してしまう共同体がたくさんある。この現実にどう向き合うのか、ほんとうに重い課題をつきつけられたような思いもしました。
 発表会のあとは、国東半島芸術祭の最終日にあわせてバス・ツアーでいくつかのアート・プロジェクトを見学。さらにそのあとひとりで1泊延長して、国東半島を観てまわりました。宇佐八幡宮からはじまり熊野磨崖仏、文殊仙寺など。晩秋の光のなか、野分のような風に吹かれて、ひさしぶりのひとり旅でした。日本を旅する感覚をひさしぶりに思い出しました。これもまたよし。
 で、帰京すると、師走。ラスト・ランいよいよ激しく。原稿にも追われて、息つく暇もありません。

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