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時の彩り(ラスト・ラン) 166

2014.07.14 小林康夫

★文字通り「颱風」のような1週間が終って、少しほっとしています。
1、2年生のための「表象文化論」(総合科目)が2回あって、シュールレアリスムから、モランディをかすめて、抽象表現主義、さらにはアンディー・ウォーホルまで猛スピードでなんとか終らせました。これで昨年秋の「美術論」の講義で、ジョットからはじめた「絵画の哲学」の歴史が一通り終ったことになる。何人かの学生はその両方を通して熱心に聴いてくれました。ありがたいことです。この授業、人生でもう二度とやらないんだろうなあ、と思うと、ちょっと感慨深いところもありますね。
後期課程の授業「Explication de texte」も水曜に「まとめ」をさせてもらって終わりになりましたが、これも、わたしのすべての仕事の基盤ともいうべき「Explication de texte」の練習。学生に自分で選んだテクストで発表させて、それに対して即座にわたしが反応してみせるという「乱取り」形式。わたしとしては、植芝翁とはいかないが、それぞれ転がしてみせたつもりではあるけれど(うまく技がかからなかったテクストもありましたけれどね)、学生にとってはどうだったかな。
そして、土曜のIHSの授業。今回は、伊藤元己先生と加藤道夫先生に来ていただいて、それぞれ「植物・動物・蝶」、「ル・コルビュジエのラ・トゥーレット修道院」について講義をうかがいました。いや、理系の先生たちの話はおもしろい。それぞれの人の研究に対するパッションが伝わってきて、わたし自身も楽しめる。わたしの中にある理系の魂が喜びに打震えます。こういう対話と出会いこそが、駒場というユニークな場所にいるわたしの喜びですね。

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★今週は、19日(土)13時〜17時。本郷の福武・ラーニングシアターで、大阪大学ショセキカプログラム/情報学環Utalkチーム主催のシンポジウム「知をひらく、知をつなぐ」(「知の技法」から20年)のシンポジウムが開かれ、そこで基調講演をすることになっています。大阪大学の方々が、あの本の20周年を記念したイベントを企画してくださるなんて!ありがたいことです。関心がおありの方はどうぞおいでください(入場は予約が必要です)。
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp


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