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【刊行】信原幸弘・太田紘史編『シリーズ 新・心の哲学』全三巻

2014.05.14 信原幸弘, 飯島和樹, 西堤優, 太田紘史

信原幸弘・太田紘史編『シリーズ 新・心の哲学』全三巻が刊行されました。

第一巻は『認知編』、第二巻は『意識編』、第三巻は『情動編』となっています。本書には、UTCPの信原幸弘が編者である以外にも、UTCP研究協力者の西堤優や飯島和樹などが寄稿しています。

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勁草書房サイトより
最新の科学の成果をとりいれ、人間の〈心〉について哲学する。新たな入門シリーズ第1巻。われわれの思考はどのように成り立っているのか。思考と概念、思考と言語の関係は?人間の思考はいかなる意味で合理的なのか。

目次

序論 思考の認知哲学 太田紘史
1 思考の構造
2 思考と合理性
3 思考についての思考

Ⅰ 認知の本性
第1章 概念の構造とカテゴリー化 三木那由他
1 はじめに
2 カテゴリー化の心理学
3 概念原子論
4 諸理論の統合
5 情報原子論と二重説の批判的検討
6 おわりに

第2章 思考について考えるときに言語の語ること 飯島和樹
―言語学と認知神経科学の観点から
1 はじめに
2 言語が世界を色づけるのか?
3 知覚的な数、言語的な数
4 文と思考を組み立てる
5 おわりに

第3章 思考の認知科学と合理性 太田紘史・小口峰樹
1 人間の思考は合理的か
2 ヒューリスティクスとバイアス
3 言語との類比からの議論
4 生態学的合理性と「ツールボックス」
5 二重プロセス理論から三部分構造モデルへ
6 結語

Ⅱ メタ認知の本性
第4章 自己知と自己認知 金杉武司
1 はじめに
2 直接性と確実性
3 面識説
4 内的知覚説
5 自己知と現象的意識
6 自己解釈説
7 合理性説
8 自己知の説明から心と自己の理解へ

第5章 他者理解 信原幸弘
―共感とミラーニューロン
1 他者の心を理解するとはどのようなことか
2 他者の心はどのようにして理解されるのか
3 心の身体性
4 ミラーニューロンと暗黙的シミュレーション
5 むすび

読書案内
あとがき(信原幸弘)
事項索引
人名索引

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勁草書房サイトより
最新の科学の成果をとりいれ、人間の〈心〉について哲学する。新たな入門シリーズ第2巻。人が手を挙げようと意志するよりも前に、脳は手を挙げるという指令を出している! 科学的探究によって揺らぐ「自己」を問い直す。

目次

序論 意識をめぐる問題圏 太田紘史
1 現象的意識と説明ギャップ
2 意識的知覚の科学的研究
3 意識の統一性と自己の実態

Ⅰ 意識的な知覚と内容
第1章 意識の概念と説明ギャップ 山口尚
―クオリアは分析可能か
1 歴史的背景―同一説と機能主義
2 説明ギャップの問題―ジョゼフ・レヴァイン
3 論点の一般的な整理(1)―心の哲学における論戦の地図
4 論点の一般的な整理(2)―レヴァインヘの応答の分類
5 二元論とタイプB物理主義―クオリアの分析不可能性にもとづく議論
6 タイプA物理主義―ギャップを気にしないことと「開示テーゼ」の問題

第2章 視覚意識の神経基盤論争 佐藤亮司
―かい離説の是非と知覚経験の見かけの豊かさを中心に
1 序
2 意識のグローバルワークスペース説とブロックの二つの意識
3 論争の評価とブロックの立場の難点
4 見かけの豊かさを説明する
5 結論

第3章 われわれは何を経験しているのか 鈴木貴之
―知覚と思考、概念、意識研究の方法論
1 準備作業
2 保守派とリベラル派の争い
3 知覚と思考
4 知覚経験の内容を明らかにするにはどうしたらよいのか

Ⅱ 意識の構造と自己
第4章 意識経験の構造を探る 太田紘史
―現象的統一性と因果的統合性
1 意識経験の統一性
2 統一性の諸概念
3 意識経験の構造―因果的統合性と現象的統一性
4 意識経験の構造のモデル
5 結語

第5章 自我性を求めて 福田敦史
―物語的自我・現象的自我・脳神経科学
1 はじめに
2 物語的自我
3 現象的自我
4 脳神経科学
5 自我についてどのように考えればよいのか―まとめにかえて

第6章 意識的意志は誰にとって幻想なのか 鈴木秀憲
―意識的意志、自己、自由意志の関係について検討する
1 『意識的意志の幻想』
2 『行動と脳科学』誌での討論
3 意識的意志と自己概念
4 意識的意志と自由意志論
5 結語

読書案内
あとがき(信原幸弘)
事項索引
人名索引

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勁草書房サイトより
最新の科学の成果をとりいれ、人間の〈心〉について哲学する。新たな入門シリーズ第3巻。人はなぜ不合理な行動をするのか。誘惑に弱く、物事を先延ばしにしがちな人間。その情動から見えてくる、人間本性とは?

目次

序論 よみがえる情動の哲学 信原幸弘
1 情動の多面性
2 情動の合理性
3 情動と人生の意味

Ⅰ 情動の機能
第1章 情動の本性 服部裕幸
1 「情動とは何か?」という問いについて
2 情動とは何か―生理学的反応説vs認知説
3 「氏か育ちか」―生得主義vs社会構成主義
4 情動と志向性―情動の実存主義的理解
5 基礎的情動
6 まとめ

第2章 自己制御と誘惑 西堤優
1 二重システム理論と自己制御
2 自己制御における情動の必要性
3 価値の時間割引
4 自己制御の喪失とそのモデル
5 むすび

第3章 先延ばしと情動 信原幸弘
1 先延ばしの種々相
2 なぜ先延ばしは起こるのか
3 選好と意志
4 先延ばし対策から見える人間の本性
5 むすび

Ⅱ 情動と不合理性
第4章 自己欺瞞 柏端達也
1 標準的な特徴づけとその周辺
2 自己欺瞞をめぐる四つの問題
3 戦略上の問題と意図性
4 構造上の問題と非合理性
5 まとめ

第5章 妄想とその原因 宮園健吾
1 はじめに
2 妄想とは何か
3 妄想についての三つの問い
4 妄想はどのように形成され、維持されるか
5 妄想と情動
6 結論

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あとがき(太田絋史)
事項索引
人名索引

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