Blog / ブログ

 

時の彩り(ラスト・ラン) 154

2014.04.21 小林康夫

★最後の1年の授業がはじまりました。1年生の仏語の授業、1、2年生のための総合科目「表象文化論」、後期課程の授業は、ある意味ではわたしのこれまでの知的活動の原点とも言うべき「Explication de texte」をめぐって、そして「落ち穂拾い」の大学院授業は、先週の初回は、自分の貧しい知的キャリアを展望する老人的回顧談でしたが、次回からまずは「回転扉」tourniquet (サルトルですね、「実存」ですね)をめぐって行う予定です。このうち「表象文化論」は先学期の「美術論」の講義の続きで、いよいよモデルニテの時代の「絵画の哲学」。マネからはじまります。じつは、今年度冬学期に「現代哲学」の講義を行う予定で、この三連続の総合科目こそ、1年半にわたって延々と続く、わたしの駒場における「最終講義」なのです。美術論+表象文化論+現代哲学ですね。10人くらいは、昨年から通して全部聴き通してくれる学生がいてくれそうかな。ありがたいこと。いちばん若い学生になにかのバトンを渡せるというのが駒場の喜びなのですから。

★そして、展覧会準備が佳境です。26日から駒場博物館ではじまる「《終わりなきパリ》、そしてポエジー」の展覧会。まさにマネからはじまる、わたしにとっての「パリのイメージ」を空間化する作業です。19日の土曜は午後から深夜まで博物館に詰めっきりで作業(さすがに疲れましたが)。20日の日曜にも顔を出し、今日21日も午後はずっと作業です。展覧会というものは「つくっていくもの」。同僚や、学生、友人たちの友情溢れる協力を得て、少しずつ空間が立ち上がってくる。苦労は多いが、しかし「つくる」という純粋な楽しさがありますね。また詳しくご案内しますが、ぜひご覧くださいますように(無料です)。

paris%EF%BC%A1.jpg

Recent Entries


↑ページの先頭へ