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時の彩り(つれづれ、草) 149

2012.07.17 小林康夫

セゾン現代美術館(軽井沢)の展示

 みなさま、おひさしぶりです。10年間UTCPを運営した「ご褒美」というわけではないが、4月からサバティカルイヤーをいただいています。4月はパリ第8大学ほかで授業をしました。帰国後も、静かにしている環境にはなくて、京都で講演をしたり、観世能楽堂の舞台にあがって観世のお家元と松岡心平さんとお話しをしたり、あわただしくしていますが、ついには7月セゾン現代美術館で「ブルーカタストロフィー」の展示を行いました。

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 当館では7月6日より9月30日までの会期で夏のコレクション展「引き裂かれる光」を開催していますが、この展覧会は、青、紫、赤の三つの色をテーマにそれぞれを別の展示担当者が企画するという仕掛け。青はわたし、紫は篠原資明(京都大学)、赤は館長の難波英夫で、サブタイトルは全体で「ブルー・カタストロフィー[むらさき]レッド・イリュージョン」となっています。

 基本はコレクション展示なのですが、わたしは特別の空間をセットして、そこにコレクションではない作品(黒田アキ絵画作品、小川待子陶芸作品)も借り出して、無心(神)伽藍をモチーフに展示インスタレーションを行いました。しかもイヴ・クライン、アニッシュ・カプーア、ジャクソン・ポロック、アバカノヴィッチなどの強烈なコレクション作品群のあいだに、なんとわたし自身が出演しているヴィデオ・インスタレーションを設置する大胆不敵。これはヴィデオ・アーティストの河合政之さんに頼んで制作したヴィデオ(「青の講義 1・2・3」)です。

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 UTCPでこの1年あまり断続的に取り上げてきた「カタストロフィーの哲学」へのわたしなりの「応答」の空間とも言えます。夏休みに軽井沢方面にお出かけの方にはぜひ立ち寄ってみていただければと思います。(詳細は、http://www.smma.or.jp また、わたし自身のご案内をhttp://youtu.be/GuHfjgmzx8w で見ることができます)。

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