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時の彩り(つれづれ、草) 144

2011.12.20 小林康夫

暮れていく時に(2)
 で、昨日の続きです。

香港(2)
 11日は朝、中文大学のみなさんのご案内で城市大学へ。9時半からデンニッツァ・ガブラコヴァさん主催の「哲学と災害」のセミナー。実は、送られてきたポスターを見たら発表者はわたしだけなので、はたして2時間英語でもつかしらとも思ったのですが、別の会議に出る中島さんも出発を1日早くして参加してくれただけではなく、パークス先生も同行してくれたのでずいぶんと豪華なメンバーのセミナーになりました。

 10月の終わりから11月にかけてわたし自身が三陸の被災地を歩いたときの様子をまとめたヴィデオ(研究員の荒川さんの編集です)を見てもらったうえで、カタストロフィーの時間について発表をしました。その後、中島さん、パークスさん、日文研の稲賀さんのコメントをいただきました。パークスさんとは、前日の日本哲学のシンポジウムで、道元から出発して今日的な災厄への倫理を語り出したかれの発表にわたしが質問したことを受けた展開となりました。なかなかスリリング。この展開は、来年1月か2月に先生に駒場に来ていただいてさらに議論を深めようと思っています。こういう連鎖状の対話が続いていくことこそUTCPが目指したことのひとつ。ありがたいことだと思っています。

 みなさんと楽しく昼食のテーブルを囲んで、そのまま空港へ。2日半ほとんどふたつの大学のキャンパスにいただけであまり街を見ることもできなかったのですが、充実感はありました。

 わたしにとっては、これが、3月震災直後のレンヌ・ローマからはじまって、ホノルル、ソウル、コーク、広州、パリ、フリブール、香港と続いた今年の海外での講演等の打ち上げです。年の終わりに、そこで出会った人々、そしてその土地の空の光などをぼんやり思い出しています。いろいろな意味でhardな年でありました。

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