【刊行】田中純『建築のエロティシズム──世紀転換期ヴィーンにおける装飾の運命』
UTCPの事業推進担当者である田中純さんが『建築のエロティシズム──世紀転換期ヴィーンにおける装飾の運命』を平凡社(平凡社新書)より刊行しました。
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19世紀末から20世紀初頭のヴィーンを舞台に、装飾が担った意味の分析から、建築のエロティシズムを考察。ロース、フロイト、カフカ、ヴィトゲンシュタイン等、文学・芸術・思想が織りなす論理にこそ建築の官能性は宿る。
【書誌情報】
田中純『築のエロティシズム──世紀転換期ヴィーンにおける装飾の運命』平凡社新書,平凡社,2011年.
ISBN-10: 458285611X
ISBN-13: 978-4582856118
【目次】
はじめに
第1章 オーストリアの終焉──聖なる春のヴィーン
価値真空の装飾
様式の問題
技術との対決
反撃する建築家
眼の停止点
旧世界の墓碑のために
第2章 建築家のダンディズム──アドルフ・ロース
ダンディの法
婦人服のモード
カルマの館
モードの終わり?
第3章 反フェミニストの遺書──オットー・ヴァイニンガー
「性と性格」
セックスしかない女、セックスを超越した男
女は存在しない
女としてのユダヤ人
ロースとヴァイニンガー
第4章 装飾と犯罪──アドルフ・ロース2
ダンディによるオタク批判
装飾と性衝動
ダンディとしてのわれわれ
ロース・ハウスのスキャンダル
装飾の犯罪学
カフカにおける「装飾と犯罪」
第5章 装飾としてのペニス──ジークムント・フロイト
フェティシズムの構造
装飾と去勢
超自我の生成
倒錯者の戦略
第6章 両性具有の夢──アドルフ・ロース3
女性的な剰余空間
被膜の原理と写真嫌い
文字の去勢
破壊する建築家
第7章 恐るべき子供たち1──オスカー・ココシュカ
アルマとの恋愛体験
フェティッシュとピグマリオン
人形愛という狂気
皮剥ぎと女の欲望
第8章 恐るべき子供たち2──ルードヴィッヒ・ヴィトゲンシュタイン
ヴィトゲンシュタインの建築
扉と窓の明晰化
独身者と花嫁
法と倫理のエロティシズム
おわりに
ガラスのペニス
装飾の運命
あとがき