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時の彩り(つれづれ、草) 133

2011.06.09 小林康夫

お久しぶり(6月9日)

見かけは日常でも、足下には、非常の、いや、異常のwavesがつねに押し寄せてくるような日々、どうもブログを書くことに心が向かわないまま、気がつくとすでに6月。生存の徴を届けるためだけにしても発信を再開しなくては、という次第。

ともかく、フクシマの状態も終息からはほど遠く、とても海外からゲストを招聘するのにふさわしい時期ではなく、勢い、われわれの活動もこちらが海外に出ていく形が中心になっています。5月はわたし自身、みなさんとハワイ大学の「東西哲学者会議」に参加。今月は、明日、ソウルのヨンセ大学に行くことが決まっています(もっともこれは、3月に予定されていたシンポジウムが繰り延べになったものですが)。

とはいえ、それでも日本に来てくださる方々はいて、5月には、これはUTCPの招聘ではなく、超域文化科学(表象文化論コース)の客員教授枠での招聘でしたが、アイルランドのコーク大学から、パークス先生が来てくださって、計5回(1回3時間以上)の濃密な集中セミナーを展開してくれました。7月には、われわれの旧友とも言うべきオハイオ大学のトム・カスリス先生が来てくれて、駒場でかれらがつくった日本哲学のThe Sourcebookという重要な事業についての報告会を行うことが決まっています。

しかも今週は、ルーヴァン大学の教授から、UTCPサイト上のわたしの論文のPDFファイルを読んで興味をもったのでUTCPに滞在したいという依頼まで来ています。ありがたいことです。世界に向けて〈窓〉をきちんと開いていれば、かならず自然に研究の交流連携の関係性がつくられていく。ほかにもいろいろ交流の提案が寄せられています。そのなかには西欧哲学と東洋哲学とを3週間の集中で講義する国際的なセミナーを開催しないか、という提案まである。ほんの少しの資金で動かすことができるこうした積極的な提案に、GCOEの資金が切れる来年度以降、どう答えていくか、模索が続いています。
(途絶えていたブログを再開しましたので、これから少し集中的に書きつぐつもりですが、さあ、どうなるかしら・・・・?)

スピノザのオリジナル原稿、発見!

ついでですが、たったいまフランスから届いたニュース。なんとヴァティカンのアーカイヴからスピノザの「エティカ」のオリジナル原稿が発見されたと! 薔薇ならず倫理の名は?!——おもしろいですねえ。

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