【刊行】平倉圭『ゴダール的方法』
元UTCP研究員で現在共同研究員の平倉圭さん(横浜国立大学)による『ゴダール的方法』がインスクリプトから刊行されました。
書誌情報
平倉圭『ゴダール的方法』(インスクリプト、2010年)
《ゴダールの映画にもまた、そのような「新たなる視聴」の誕生を促す高解像度のスタイルがあると言うことができるだろう。本書はいわば映画の「新しい観客」としてふるまい、ゴダールの映画をデジタル編集台で操作・変形することで分析の解像度を更新しようとしている。私たちは編集台に接続し、高解像度ゴダールの経験に突入する。そして他人の映画をヴィデオテープやDVD、あるいはネット動画から引用して再編集してしまうゴダールの映画のなかには、私たちがそのような「新しい観客」としてふるまうことを押しとどめるいかなるものも存在しない。》(本書序章より)
A5版上製336頁
装幀:間村俊一
装幀用図版:『ゴダール・ソシアリスム』(ジャン=リュック・ゴダール監督作品、2010年)
定価:本体3,200円+税
ISBN978-4-900997-31-8
▼目次
序章 新たなる視聴
1 思考 2 方法 3 来歴
第1章 結合
1 正しさ 2 〈と〉と失語 3 実例教育
第2章 問いと非応答
1 ミキシング 2 非応答 3 問い=拷問
第3章 見逃し、聴き逃し
1 複数の顔 2 複数の視‐聴 3 こことよそ
第4章 類似
1 ディゾルヴ 2 ダイアグラム 3 分身
第5章 受苦と目撃
1 記憶喪失 2 受苦 3 目撃
再圧縮
あとがき/英文梗概/フィルモグラフィー/索引
▼著者
平倉圭(ひらくらけい)
1977年生。東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。博士(学際情報学)。専門は芸術論、知覚論。美術家としても活動をおこなう。現在、横浜国立大学教育人間科学部マルチメディア文化課程講師。著書(共著)に『美術史の7つの顔』(未來社、2005年)、『ディスポジション──配置としての世界』(現代企画室、2008年)。論文に「識別不可能性の〈大地〉──ジル・ドゥルーズ『シネマ2*時間イメージ』」(『思想』999号、2007年)ほか。http://hirakurakei.com/