【刊行】金杭『帝国日本の閾――生と死のはざまに見る』
元UTCP研究員で現在共同研究員の金杭さん(高麗大学)による『帝国日本の閾――生と死のはざまに見る』が岩波書店から刊行されました。
出版社サイトより
「この世に生まれた裸の個人たち=「豚-人間」が,「国家の民」に生成する政治的な力学とは何か.丸山真男の「近代的個人」観の盲点,南原繁等オールドリベラルにとっての天皇制の意味,関東大震災時の戒厳令と朝鮮人虐殺の背景,小林秀雄の思想の再検討等,近代日本の隠蔽された核心を暴き出す韓国人気鋭研究者の意欲的な論考.
体裁=四六判・上製・カバー・304頁
定価 3,360円(本体 3,200円 + 税5%)
2010年12月15日
ISBN978-4-00-024030-7 C0010」
目次
序――セキュリティ、豚、日本人
第1部 恐怖なき決断――丸山眞男の個人と国家
第1章 民主主義という「虚妄」
第2章 危機と政治――荻生徂徠論
第3章 決断としてのナショナリズム――福沢諭吉論
第4章 「国家の民」と「豚-人間」――丸山眞男の臨界点
第2部 日本人であること――国民国家の本源的蓄積
第5章 オールド・リベラルの天皇制
第6章 自我、家族、国体――日露戦後の国家論
第7章 ある憲法学者の不安――国体論争とその時代
第8章 国家生成の根源――関東大震災と朝鮮人虐殺
第3部 日本人になること――生を得るために死に赴く
第9章 小林秀雄という意匠
第10章 批評、歴史、死――小林秀雄における国家と個人
第11章 死への決断――朝鮮人・帝国臣民・日本人
おわりに――国家を思考するということ
あとがき
注
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