【刊行】ヤーコプ・タウベス著,高橋哲哉/清水一浩訳『パウロの政治神学』
UTCP事業推進担当者の高橋哲哉さんと清水一浩さんがヤーコプ・タウベスの『パウロの政治神学』を岩波書店より翻訳出版しました.
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パウロを,ユダヤ的なるものの系譜から読み直す.ローマ書の解釈にそくして,聖霊と隣人愛による「神の民の共同体」という希求のユダヤ性を明らかにする.カール・シュミットの政治神学,ベンヤミンのメシアニズムに,パウロ的神学の水脈を読み解き,世俗化と啓蒙に基づくプロテスタント的近代化論との全面的な対決を企てる.
(岩波書店上記ウェブサイトより)
【書誌情報】
ヤーコプ・タウベス,2010年,『パウロの政治神学』高橋哲哉・清水一浩訳,岩波書店.
ISBN-10: 4000244620
ISBN-13: 978-4000244626
【原著】
Taubes, J. 2003. Die politische Theologie des Paulus, 3., verbesserte Auflage, München: Wilhelm Fink Verlag.
【目次】
前書き アライダ・アスマン
序論
一 ローマ書への自伝的アプローチ
二 ユダヤ宗教詩におけるパウロ――メシアの論理
第一部 読解 パウロとモーセ――新たな〈神の民族〉を創始すること
一 ローマ書の宛先
(a)ローマへの宣戦布告としての福音――ローマ書1・1~7の読解
(b)イェルサレムと世界宣教の正当性――ローマ書15・30~33
補論 ユダヤ人キリスト教徒共同体の運命
二 ノモス 法と正当化――ローマ書8および9~11の読解
三 選びと拒み――ローマ書8・31~9・5およびバビロニア・タルムードのベラホート篇32aの読解
四 プネウマ 救済史における凌駕,現世の超克――ローマ書9~13の読解
第二部 影響史 パウロと近現代――メシア的なものの形象変容
一 この世の他所者(よそもの)――マルキオンとその後継者たち
二 絶対的な者の熱心者と決断の熱心者――カール・シュミットとカール・バルト
三 世界政治としてのニヒリズムと美学化されたメシアニズム――ヴァルター・ベンヤミンとテオドーア・W・アドルノ
四 聖書からの脱出(エクソドゥス)――フリードリヒ・ニーチェとジークムント・フロイト
補遺 ヤーコプ・タウベスとカール・シュミットの歴史
後書き ヴォルフ-ダニエル・ハルトヴィッヒ/アライダ・アスマン/ヤン・アスマン
序論
第一部 読解 新たな契約(フェア)-連合(ブント)の形成と正当性の主張
第二部 影響史 パウロと近現代
補遺 政治神学
編集後記
原註
訳註
タウベスの手紙
アルミン・モーラー宛ての手紙
カール・シュミットからアルミン・モーラ宛ての手紙――引用4篇
カール・シュミット宛ての手紙
原註
訳註
訳者後書き