【刊行】三浦篤(編・訳)『美術論集――ゾラ・セレクション第9巻』(藤原書店)
中期教育プログラム「イメージ研究の再構築」事業推進担当者である三浦篤さんの編・訳になる『美術論集』(ゾラ・セレクション第9巻、宮下志朗・小倉孝誠責任編集、全11巻+別巻1)が藤原書店より刊行されました。
ゾラ・セレクション第9巻『美術論集』、三浦篤(編・解説)/三浦篤・藤原貞朗(訳)、藤原書店、2010年。
(以下、本書帯より)
◆美術批評家としてのゾラ――三浦篤
ゾラが残した美術評論は、日本では紹介が遅れ、未だ翻訳もない。しかし、セザンヌの親友でもあるゾラは、マネや印象派など当時の前衛的な画家たちと密接なつながりを持つ美術批評家として、1860年代後半から1870年代にかけて重要な存在であった。特にマネの絵画を擁護する文章は歴史的な意義を有し、サロン(官展)批評では、アカデミックな画家たちを批判し、印象派や自然主義の画家たちを評価する姿勢が明確に示されている。加えて、ゾラの美術批評は鋭敏な観察眼と的確な判断力、明快率直で時に挑発的な文体によって、今日でも独特な魅力を持つ。本巻ではマネ論とサロン批評を中心に、ゾラの美術評論を本格的に紹介する。