時の彩り(つれづれ、草) 106
2010.05.19
小林康夫
☆人々④(Maria KODAMAさん)
そして今週の17日、今度はUTCP主催で、ホルヘ・ルイス・ボルヘス夫人のマリア・コダマさんをお呼びしました。
彼女とは、昨年の秋に、同僚の船曳建夫さんとともにお会いしてお話ししたのですが、そのときにこの春に東京でご自分が撮ったボルヘスの写真を中心にした展覧会(セルバンテス協会)を行うということをお聞きして、それなら駒場に来てお話しくださいとお願いしていたもの。日系でいらっしゃるが、日本語は今度3ヶ月来日して集中的に学びます、というご予定だそうで、当日は、フランス語で講演していただきました。わたしとの話の延長の講演会だったので言語がフランス語になったのは、中南米スペイン語の専門家のみなさんには失礼いたしました。
講演の内容はブログで報告があがると思いますが、ボルヘス作品における他者の問題を追って、最後は、「俳句」のおかげで人類が救われるという「Atlas」所収のテクストで終わるエレガントなものでした。
講演のあと、構内のレストランでボルヘスとの出会いを含むさまざまなエピソードを聞かせていただいて感慨がありました。個人的にはブエノス・アイレスのカフェ・トルトーニの奥にいるボルヘスが影となって駒場に現れたかのようなボルヘス的な夜!マリアさんに感謝!