2009年度終了中期教育プログラム報告(脳科学と倫理)
2010.05.20
脳科学と倫理
中期教育プログラム「脳科学と倫理」は2009年度いっぱいで活動を終了し,2009年3月1日には総まとめの活動報告をおこないました.2010年度からは新しい中期教育プログラム「科学技術と社会」に活動を引き継ぎます.
【「脳科学と倫理」プログラムの概要】
科学技術の発展は社会に大きな影響を及ぼし、さまざまな価値観や倫理に関わる問題を引き起こしている。脳科学もそうである。このプログラムでは、脳科学と社会をめぐる哲学的・倫理的な問題を三つの側面から考察する。
第一に、脳科学の発達によって、薬物による知能の増強やマインド・リーディングなど、倫理的にゆゆしき問題を引き起こすような技術が開発される可能性がある。このような技術に関する倫理的問題を考察する。
第二に、脳科学の発達は、自由意志の否定、脳による行動の決定など、従来の人間観を根底的に揺さぶる可能性がある。脳科学による人間観の変更の可能性を、進化論の登場による人間観の変更と比較しつつ、その哲学的・倫理的な意味を探る。
第三に、脳科学は、人間の倫理的行動が脳のどのようなメカニズムによって産み出されるのかを明らかにすることにより、人間の倫理的行動の実態を暴き出し、従来の倫理学に深刻な打撃を与え、倫理の自然化の自然化を促す可能性がある。このような倫理の自然化がどのようなものとなるのか、またそれが何をもたらすことになるのかを考察する。
【「脳科学と倫理」プログラムのこれまでのあゆみ】
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【「脳科学と倫理」プログラムの活動をふりかえる】
1. メンバー
2. セミナー
3. 連続講演会
4. UTCPこまば脳カフェ
5. 海外派遣
6. 出版物