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時の彩り(つれづれ、草) 095

2010.02.17 小林康夫

来訪
少し時間が経ってしまったが、UTCPへの来訪をふたつ報告しておきます。どちらも2月3日のことでした。

まず、少し遅れて駆けつけて昼食をごいっしょしたのが、テヘランからいらしたソルーシュ・ダッバーグさん。かつては井筒俊彦先生も滞在していたという哲学研究所の研究員。本郷の学会に参加なさった翌日にUTCPも訪れてくれた。研究員・阿部尚史さんの仲介でお会いして、構内のレストランでお話しをしたのだが、ヴィトゲンシュタインとイスラーム神秘主義がご専門ということで、話ははじめから超越的な存在をどのように〈語り〉うるか、という難しい問題。わたし自身はそのときの瞬間的な反応で〈不立文字〉=ディコンストラクションみたいな立場で語りだしたが、じっと集中してきいてくださった。超越的な真理と詩の関係はわれわれふたりに共通するテーマ。キアロスタミなどイランの文化にも話は及んだが、この秋にでも、テヘランの研究所を今度はわれわれが訪れて、議論の続きをしようということになった。

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その出会いからほとんど時間をおかずに、オフィスを訪れてくださったのが、上海の華東師範大学の副学長の張済順先生のご一行。07年の9月にも訪れてくださったので、今回が二度目。東大の副学長や駒場の研究科長との会合のあとに、われわれを忘れずに寄ってくださったのは嬉しかったですね。こちらでは、リラックスして、最近の中国の大学の人文系の学問への手厚い支援や世界戦略、それに比べて日本の大学の「自閉」についてなど、辛口も含めて、自由に討論ができました。ここにも継続的な友好の関係が維持されています。今年は、この関係をもう少し発展させなければ。上海にも行くことになるかしら・・・・

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