サラ・ロイ氏へのインタヴュー記事掲載
UTCPで招聘したサラ・ロイ氏(ハーバード大学中東研究所)のインタヴュー記事が、『世界』2010年1月号に掲載されました。聞き手・構成はジャーナリストの小田切拓氏、タイトルは「ガザが語る「虚像」の和平」です。
先日、サラ・ロイ氏の来日講演・対談集を編訳刊行したところです。
サラ・ロイ『ホロコーストからガザへ――パレスチナの政治経済学』
(岡真理、小田切拓、早尾貴紀=共編訳、青土社、2009年、2600円)
この共編訳者でもある、ジャーナリストの小田切氏が、雑誌『世界』(岩波書店)のためにインタヴューしたものが、記事になりました。上記書籍と内容的に補完関係にありますので、ぜひ併せてお読みいただければ幸いです。
ちょうど昨年暮れのガザ攻撃から1年になろうとしています。派手な戦争がなければ報道は激減し、世間は問題を忘れていきますが、しかしイスラエル/パレスチナ情勢は何も進展していないどころか、不安定さはむしろ増しています。問題の本質を抉りだすサラ・ロイさんの仕事はいっそう重要になってきています。
また日本のパレスチナ関係のジャーナリストの仕事にしても、もはや「現地情勢を伝える」というだけでは何の役にも立ちません。草分け的なジャーナリストの世代の後に次の世代のジャーナリストが切り込んでいかなければなりませんが、小田切さんはそうした自覚と能力をもっている稀有な人材です。
今回、貴重なコラボレーションをしていただきました。
このインタヴューとともに、『ホロコーストからガザへ』も広く読まれることを期待します。