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時の彩り(つれづれ、草) 088

2009.12.03 小林康夫

明倫茶会

先週末の土曜、京都の京都芸術センターで茶会の席主をしました。

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このセンター、明治2年に設立された明倫小学校の旧校舎のなかにあります。そこで明倫茶会と銘打った茶会を毎月一度行っているもの。いろいろな方がいろいろな仕方で「茶会」を催しています。この席主に、と頼まれたのがちょうど一年前。東京から組織するのは難しいから、と引き気味だったのですが、京都の友人たちが手伝うから、といってくれたのでやることに。

このセンター、広間の和室も茶室もあるのですが、わたしが選んだのは、どうせだ、と大講堂。そこに舞台をセットして点前座をつくり、その前で、古い教壇と生徒用の机をおいて教室の再現。小学校という土地の記憶(ゲニウス・ローキ)を呼び出す仕掛けにして、そこにベンヤミンの「ベルリンの幼年時代」を重ねる構成。

生徒役は、友人の第16代大西清右衛門さん(釜)、檜垣青子さん(楽)、太田達さん(菓子)の3名で、それぞれの仕事場での仕事中の映像をバックに点前をするという豪華な90分。もちろん、100名を超すお客さま全員に点てだしをし、太田さん特製の紅白饅頭「よくできました」を食べていただきました。

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最後には、わたしもおぼつかない手つきで点前を!(新幹線のなかで袱紗さばきを練習!)。バックは西山さんが制作したあのアルゼンチン講演の記録映画。終わって全員で「仰げば尊し」を歌ったのがなかなかの興趣でした。

前代未聞の一期一会であったことはまちがいない。一座建立という「共生の実験」でもありました。

京都芸術センター:
http://www.kac.or.jp/

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