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臼杵陽(監修)/赤尾光春・早尾貴紀(編)『ディアスポラから世界を読む』刊行

2009.07.03 早尾貴紀

 臼杵陽(監修)/赤尾光春・早尾貴紀(編)『ディアスポラから世界を読む——離散を架橋するために』(明石書店、2009年)を刊行しました。
 関連イベントとして合評会シンポジウムもあります(7月26日)。

 二年前に同タイトルでワークショップをおこないました。そのときから論集化を前提として、完成度の高い報告・草稿・討議を積み重ねてきました。

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  (カバー折り返しより)
   「ディアスポラ」から世界を読み解く。
   西洋近代において周縁化された
   ユダヤ、アルメニア、カルムイク、ブラック・アトランティックから、
   東アジアの歴史空間を浮動する
   回族、華僑、朝鮮、在日、沖縄・奄美まで、
   国民国家に回収されない人びとの離散を架橋する、
   脱領域的「ディアスポラ学」の試み。

〈目次〉

序論 「方法としてのディアスポラ」の可能性
      臼杵陽

【第一部 ディアスポラと西洋近代】
 序  ディアスポラについて、つねに複数として、かつ横断的に思考する
      鈴木慎一郎
 第一章 追放から離散へ——現代ユダヤ教における反シオニズムの系譜
      赤尾光春
 第二章 故郷を創る——アルメニア近代史に見るナショナリズムとディア
      スポラ  吉村貴之
 第三章 「三度目で最後の大陸」にいたるまで——カルムイク・ディアス
      ポラの四〇〇年  荒井幸康
 第四章 ユダヤ・ディアスポラとブラック・ディアスポラ——比較・類比
      ・鏡  浜邦彦
 第五章 ディアスポラと本来性——近代的時空間の編制と国民/非国民
      早尾貴紀

【第二部 東アジアにおけるディアスポラ】
 序  「振り返ってみると」と「ふと気がつくと」——ディアスポラを書く
      ことの認識論  丸川哲史
 第六章 離散と集合の雲南ムスリム——ネイション・ハイブリディティ・
      地縁血縁としてのディアスポラ  木村 自
 第七章 韓国華僑の外なる「故郷」と内なる「祖国」
      王恩美
 第八章 民族と国民のあいだ——韓国における在外同胞政策
      金友子
 第九章 否定の民族主義のゆくえ——在日朝鮮人とディアスポラ
      洪貴義
 第一〇章 「脱線」からアチャラカへ——下町の「辺境」三ノ輪"界隈"の
      文化  本山謙二

付 録 「ディアスポラ」のディアスポラ
      ロジャーズ・ブルーベイカー

 宣伝ポイントとしては:
・赤尾&早尾が翻訳刊行したボヤーリン兄弟『ディアスポラの力』(平凡社)の敷衍可能性を実践に移す試みである。
・二人の人脈から、思想研究/地域研究/文化研究のフィールドから、幅広く気鋭の若手研究者を結集している。
・対象地域も広範であり、「世界の読み直し」の出発点を目指している。
・当日コメントをいただいた、臼杵陽さん、鈴木慎一郎さん、丸川哲史さんに、本書にもコメント論考をいただいている。
・人文系で話題となり多く引用されているブルーベイカーの注目論考が付録として全訳収録されている。

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