時の彩り(つれづれ、草) 068
☆ 復帰(感謝)、そしてピアノ
先月の父の葬儀に際しては、UTCPの研究員のみなさまからお花を頂戴しました。ありがとうございました。また何人かの方には葬儀のお手伝いをしていただきました。心より御礼申し上げます。
わたしは、兄弟は妹がひとり。長男ということもあって、その後もいろいろそれにかかわる用務は多くて、なかなか気持ちも切り替わらなかったのですが、月もかわって今日より「ふだんどおり」に復帰します。よろしくお願いします。
前回のブログの最後にポリーニのショパンに触れましたが、ちょうどそのポリーニが来日中でした。オール・ショパン・プログラムもありましたが、その日はちょうど告別式の日でさすがに行くことはできず。もうひとつのシューマン・シェーンベルク・ヴェーベルン・ドビュッシー・プログラムには行きました。素晴らしい演奏でしたね。
実は、月初めには父の病院から直行して神奈川県立音楽堂でのピリスの演奏会にも行きました。こちらはベートーベンの変奏曲に感動しました。
そして5月の最後は、この駒場の900番教室で、高雄有希さんのピアノリサイタル。かれは現在、本郷の人文系の修士1年ですが、東大入学時にわたしがフランス語を教えたプロのピアニスト。かつて駒場のスタインウェイを弾いてもらったときは、ちょうどわたしの先生であった阿部良雄さんが亡くなったときで、当日30分前に、ショパンの葬送行進曲を弾いてよ、とお願いしたらその場で弾いてくれました。今度もわたしの父の死を知っていて、アンコールの最後に、その追悼の気持ちをこめてショパンの「雨だれ」の前奏曲を弾いてくれました。涙が出ないわけがない。心に染み入る演奏を一番前で聴いていました。
東京大学(駒場)って、ときどき途方もない、思いもかけない出来事が恩寵のように起きます。不思議な場所です。
とまれ、激しい!ピアノの響きに心を支えられた5月でした。
今日6月、雨もあがって明るい光がさしてきました。