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時の彩り(つれづれ、草) 058

2009.01.23 小林康夫

☆ 3時間(過激な場)

今月、BESETO会議以降に限っても、スティミリ先生の2回の講演、精神分析医の十川さん、一昨日は大宮さんと講演発表の連続。毎回、多くの人、とりわけ少しずつだが、若い学部学生なども来てくれるようになって、わたしとしては嬉しい限り。

どの回も、ゲストの発表に質疑応答の時間を含めてほぼ3時間、休憩なしで「飛ばして」いる。この時間と密度が重要というのがわたしの考え。

大学の授業は、たとえば90分という制限がある。学会発表もそう。だが、ひとつのトピックを理解し、検討し、それぞれがさらにそこから自分の思考を発展させるためには、多くの時間が不可欠。原則的には、いかなる制限もなく、徹底して議論できる場がアカデミズムには本質的なのに、なかなかそれが実現しない。

そう、研究というものは、本質的に「過激」なのだ。しばしば硬直した灰色のルーティーンのなかに沈みこみそうになる現今の大学の制度のなかに、そのような「過激な場」を、「瞳」のように開いておく――そこにUTCPのひとつの使命がある、とわたしは考えている。

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