時の彩り(つれづれ、草) 054
2008.12.26
小林康夫
☆ 政治化する思考
昨日のワークショップ、今年1年のUTCPの活動を振り返りつつ、中島さんとともに、今日の哲学的な思考にとってのひとつの必然としての「政治」の問題を、じっくり話しあってみようという趣旨で、はじめから大きく案内をしたわけではなかったのだが、思いもかけず外部からの方々も含めて、多くの人が参加してくれて、中島さんともども感謝しています。
2008年という年が、いろいろな意味でひとつの危機的な転回点であったことは確かだと思われますが、このアクチュアリティのなかで、「政治の不在」という問題がクリアに浮かび上がってくるように思います。これに対して、人間の思考はいったどのように「応答する」のか?――そのような課題について自覚を深めることが昨日の会で問われていたことです。わたしもそこではまだ未整理の思考をそのまま晒しただけでした。でも、そうやって公開の場所で立場を危うくしながら語りだすことによってわかってくることもあるので、これからそこで得たヒントについて考えていくつもりです。
いずれにせよ、どういう形にしても、UTCPの今後の活動のなかに、もう少し鮮明に「政治」の軸を際立たせたいと中島さんとも話しています。
来年もどうぞよろしく。
みなさま、どうぞよいお年をお迎えください。