【刊行】『グノーシス「妬み」の政治学』
事業推進担当者・大貫隆さんの『グノーシス 「妬み」の政治学』(岩波書店)が刊行されました。
「妬み」という人間的な、あまりに人間的な情念をグノーシス救済神話の中核に見い出す力作。
ある意味では、一方的な超越論とも見えるグノーシスの思考を、「妬み」の克服の政治のドラマと読みこむ画期的な論考。しかもこの読解が、M・ウェーバーをはじめとする近代の思想家たちの政治論にも密接にかかわってきます。
この膨大な作業の一端はすでに、UTCPの「時代と無意識」プログラムでも発表していただいていますが、一冊の本としてまとまった迫力はさすが。
大貫さんは、来年春に定年になるので、今年度の後半には、UTCPとしても、イエス論をめぐってか、あるいは本書をめぐってか、記念の学術集会を企画する予定にしています。
(小林康夫・記)