時の彩り(つれづれ、草) 037
☆ 『Fundus Oculi』(「吉増剛造展」at 北海道文学館)
昨年末にUTCPは詩人の吉増剛造さんをお迎えして、吉増さんの映像作品を見ながらの対話の会を行った。PDの平倉圭さんがそのときの吉増さん(の眼[の底])を主役に短い映像作品(『Fundus Oculi』)をつくった。
この作品は本サイトからもダウンロードして見ていただけるのだが、それが6月28日から北海道立文学館・特別展示室で行われる「詩の黄金の庭 吉増剛造展」に出品されることになりました。おもしろいですねえ。
吉増さんがクロード・ムシャールさんを招いて開いた小さな会に出席した小林が、そこでの映像の上映があまりうまくいかなかったのを見かねて、じゃ、駒場に来てくださいよ、とお誘いしたそんな偶然と友愛の糸が思いもかけないところにひとを導いていく。そして実は、今度はわたしが、この展覧会のオープニング・イベント(「吉増剛造の現在」北海道立近代美術館講堂・6月28日午後2時より)に招かれて吉増さん、工藤正廣さん、高橋世織さんらとトークをすることになっています。東京からは遠い場所ですが、ご案内しておきます。
なお、吉増さんの映像作品は19本まとまったものがこの夏にオシリスから発売されます。そのDVD付随の小冊子のために、先日、吉増さん、八角聡仁さんと鼎談も行いました。これもご案内です。
でも、わたしにとってもっとスリリングなことは、そうした吉増さんの不思議な「映画」作品とたまたま読み直していたジャック・デリダの「法の力」のあるパッセージのあいだに、日曜日の夜10時すぎ、突然、電光が走ったこと。そのことは、今回の「思考のパルティータ」に少し書きましたが、それによって、吉増さんの作品も、デリダも、そしてヴァルター・ベンヤミンもよりよく分かる、そんな光が差し込んだことです。
ねえ、剛造さん、そんなことあるよねえ……「法の力」だぜぃ……ありがとうございました。
(なお、この最後のところは吉増さんの「映画」のmimique、耳ック、耳態です・・・・ごめんなさい)。